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ある繁華街の無料案内所で「魚の切り身」が大量に見つかったワケ

密漁と暴力団の深い関係

200kgも魚介類が…

無料案内所から、麻薬ではなく「魚の切り身」が見つかった――。

長崎県警と県漁業取締室は7月23日、長崎市内の居酒屋に密漁で得た魚介類を卸したとして、指定暴力団六代目山口組系組長の坂上明弘容疑者と、妻で居酒屋従業員の亜紀容疑者など5人を漁業法違反の疑いで逮捕した。

坂上容疑者らは共謀し、長崎市野母町の沖合で、許可を受けずに魚介類を密漁。長崎市の沖合などで、空気ボンベなどを使ってオオモンハタやタイなど計10匹を密漁し、違法に取った魚介類を妻が働いていた居酒屋に卸していた。

 

坂上容疑者らは、 長崎県警察本部に近い港を拠点に「密漁船」を不法に係留していたとみられており、同県などが居酒屋近くの繁華街の無料案内所を家宅捜索した結果、冷凍された魚の切り身など約200kgもの魚介類が見つかった。この案内所で、密漁した魚介類を加工したり冷凍保存したりしていたという。

約200kgもの魚介類が繁華街の無料案内所から出てきたことも驚きだが、密漁品が販売されて暴力団の資金源になっている事実も話題を呼んだ。全国紙経済部のベテラン記者は、密漁の実態についてこう解説する。

「今回の事件のように、暴力団が密漁した魚介類を地元の居酒屋や旅館などが安値で買い取るケースは、根強く残っていると考えられます。買う側は、密漁品だと薄々気づいていても、地方都市は景気が悪いので割安に魚介類が手に入れば助かるし、狭い地元社会の中で暴力団に睨まれないための、ある種のみかじめ料のような意味もある。

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売る側が暴力団の密漁品だと明言しない限り、購入者は法律上『善意の第三者』ということになり、刑事責任は問われないことも、密漁品が蔓延する原因となっています」