# 相続

夫の遺産「6500万円」を親不孝息子から守った…その驚くべき裏ワザ

「特別受益」が役に立つ
江幡 吉昭 プロフィール

なお、この特別受益に関しては、特に法律上の時効のようなものはなく、このように数十年前の贈与等であっても、特別受益にあたる可能性があります。そのため、今回はこの1625万円のアパート代負担の証拠を提示することで、その全額が特別受益にあたると認められたのです。

 

トラブル回避に、遺言は絶対!

こんな話があったからこそ佳枝さんは、自分の死後も、都内の35坪の自宅が、長男に取られることなく、きちんと長女に相続されるように、遺言を作成し、かつ、遺留分の支払に十分な現金を保険で用意することにしたのです。

佳枝さん自身のケースでは、司法書士が公正証書遺言の文面を作り、公証役場での作成によって無事に遺言作成が完了しました。佳枝さん死亡時に発生しうる長男の遺留分(相続人に法律上保障された一定の割合の相続財産のこと)に関しては、最低限の終身保険の死亡保険金で準備しています。

最近は多くの雑誌やテレビが相続・終活・遺言の特集を組むようになりました。しかし、人間は周りから「トラブルをさけるには遺言を作る方がいい」と言われても、行動には移せません。自分で経験しないとなかなかやる気にならないのでしょう。

実際、我々のところに相談に来られる方も、大なり小なり、佳枝さんのようなつらい経験をしている方が大半です。つらい経験をしてからでも遅くはありませんが、時間が経過すれば、それだけ得られるものが少なくなったり、打てる手が限られてしまったりするのも事実。手遅れにならないためにも、死ぬ前のマナーとして遺言作成が根付くようになることを心から願っています。

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