自己肯定感を、どうか失わないで

こうした風潮は、青少年が成長過程で自然と抱くであろう恋愛感情が「いけないものである」というイメージを植え付けかねません。

近年は若者の「恋愛離れ」が注目されています。内閣府による平成26年度「結婚・家族形成に関する意識調査」によると、20代の男女のなんと約4割が「恋人は欲しくない」と回答

理由として最も多かったのは「恋愛が面倒」、次いで「自分の趣味に力を入れたい」「仕事や勉強に力を入れたい」なども挙げられています。
さらに、「恋人として交際する上での不安は何ですか?」という問いに対しては、「そもそも出会いの場所がない」「自分は魅力がないのではないかと思う」「自分が恋愛感情を抱くことができるのか不安だ」という答えが見受けられました。

そして、セックスについて。

僕が昔から奇妙に思っている日本語があります。それが「童貞卒業」と「処女喪失」

男性の初体験にはお祝い的ニュアンスを感じるのに、女性の初体験は、大事なものを無くしてしまったような残念感で語られることが常なのです。まるで処女こそが女性の価値であるかのよう。これこそ、太古から続く男尊女卑の思想を象徴する悪例だと思います。

男性アイドルは色気の漂うセクシーさを、女性アイドルは笑顔が天真爛漫な純真さをアピールして売り出されることが多いのも、やはり女性が、男性から、ひいては社会から純潔さを求められていることを象徴しています。

けれど、女性アイドルが恋愛したっていいじゃないか。僕は一人のハロプロファンとして、そう思ってやみません。

歌とダンス。そして然るべきときに訪れる恋。何にも制約されたり、誰にも抑圧されたりせず、様々なことを自ら積極的に経験していく方が、アイドルとしての、女性としての魅力につながると思うのです。

そして、恋愛からの結婚、結婚からの妊娠という、既存のマニュアル行程から外れつつも、堂々と婚前妊娠を公表した滝川クリステルさんに、僕は心からの賞賛を送ります。

世間の常識が、必ずしも自分のライフスタイルと合致するわけじゃありません。合致しない常識に、無理やり自分を合わせる必要なんてないんです。
周りから非難されるかもしれない、好奇な目で見られるかもしれない、それでも胸を張って、自分の信じる道を進み、自己を肯定できる人こそが、魅力的だと思うから。

アイドル全盛の時代に休養し、留学し、結婚し、出産をした松田聖子さんは、どれだけ「自分を生きる」アイドルの先駆者だったのか……改めてよくわかる Photo by Getty Images
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