6組に1組が不妊検査や治療をしている

そして、このほど発表された、滝川クリステルさんの婚前妊娠。他人がとやかく言及するものではないけれどあえて言及させていただくならば、不誠実でも無計画でもない、とても計画的で堅実な選択だと僕は思いました。

避妊の知識不足による望まない妊娠は、確かに問題です。しかし、国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査によると、「不妊の検査・治療を受けたことがある」または「現在受けている」と答えた夫婦は、全体で18.2%、まだ子どものいない夫婦では28.2%に達しています。日本の夫婦の実に6組に1組は、不妊症の検査や治療を過去に受けたか、現在も治療中だということです。

滝川クリステルさんは、小泉進次郎さんより3つ年上の41歳。いわゆる高齢出産に該当する年齢です。しかもお相手は、政治に代々携わってきた小泉家のご子息。結婚ともなれば、世継ぎの出産を家の内外から熱望されるプレッシャーは相当なもの。

華々しく結婚しても、すぐに子どもができる保証はない。もしかすると、ずっと子宝に恵まれないかもしれない。それなら、婚姻は二の次として、ふたりがパートナーとして生きたいと思ったのであれば、まずは妊娠に取り組んでから、その後で結婚を決めるのだって、立派な選択だと思うのです。

6組に1組の夫婦が不妊の検査や治療を経験している今、ある意味では婚前妊娠だって「計画性がある」と言えるかもしれません。

次世代のリーダーとして注目されている小泉進次郎。たしかに結婚した後の方が妊娠へのプレッシャーが大きくかかったことは想像に難くない Photographer: Akio Kon/Bloomberg via Getty Images

社会が女性に強いる「過剰な純潔主義」

近年、「できちゃった結婚」という呼び方を淘汰する声が上がり始めています。
松本人志さんもフジテレビ「ワイドナショー」で、自身の結婚もできちゃった婚だったことに触れつつ、計画的に子どもをつくったにもかかわらず「失敗しちゃった感」を植え付けられるとして、苦言を呈しました。

とはいえ、社会にはまだまだ婚前妊娠へのネガティブイメージが根強く残っています。
海外へ目を向けてみると、カトリック教会では婚前妊娠どころか婚前交渉自体を禁止しているし、中東や南アジアなどでは宗教的観点から、婚前交渉を行った女性に対して、家族や地域の名誉を汚したための「名誉殺人」が行われることがあるんだとか。
自分の娘が強姦の被害者になったとしても、結婚前に処女じゃなくなったことの方が一族の恥として、親によって殺されてしまう……そんな悪習が今でも正当化されている国や地域が存在しているなんて、日本では考えられないことですよね。