ペットフードの健康被害

生協の食材宅配を行っている『生活クラブ』が販売していたペットフード「犬・猫用ササミ姿干し 無塩」を食べたペットの嘔吐や下痢などの健康被害(68件)があり、その中の14匹が死亡したという報告が8月19日に上がった。製品からは微量のサルモネラ菌などが検出されたという。ペットと暮らしている人にとっては、他人事とは思えないニュースだ。

日本国内のペットフード市場は、今や3440億円(2018年度)と巨大化している。平成21年には環境省と農林水産省によって、ペットフード安全法が施行された。が、ペットフードは、食品衛生法の規制対象外で、今回問題となったペットフードも食品ではなく、生活用品のカテゴリーになっていたのだ。もちろん、きちんと健康面を考えたメーカーや商品も増えているが、人間の食品基準に比べると曖昧な基準が多いという現状もあるのだ。

動物保護シェルターを運営している特定非営利活動法人『ランコントレ・ミグノン』の友森玲子さんのもとにも、ペットのフードがらみの困った相談が数多く寄せられるという。一体どんな問題が起きているのか、詳しく話を伺った。

譲渡会でケージにペットのおやつを投げ入れる人

保護動物の現状を多くの方に知ってもらうために、私が運営する保護団体では、環境の良いギャラリーなどを借りて、出張譲渡会を年に数回行っている。それは、外苑にあるギャラリーでのこと。来場してくれた方々と保護動物について話をしているときだった。さっきまで大人しかった動物たちが声を上げて突然騒ぎ始めた。何が起きたかと思い振り返ると、一人の女性がファスナー付きビニール袋から何かを取り出して、ケージ内に次々と投げ込んでいたのだ。

あ! ちょっと待って! やめてください!

叫んでケージの中へ手を突っ込み、投げ込まれたものを必死にかき集めた。多くの動物たちは口に含み、大半を食べられてしまっている……。拾ったものをみると、なんだかよくわからないササミのようなものだった。

投げ込んでいた女性は、必死な私の様子を怪訝な顔して見ている。
「一体何を投げ込んだのですか?」とできるだけ冷静に女性に尋ねると、
「ここにかわいそうな保護動物がいるって聞いたから、わざわざ食べ物を持ってきてあげたのに! 一体あなたはなんなんですか!!」と逆ギレされてしまった。

この保護動物を管理している責任者であると伝え、さらに、ここにいる動物たちが良い健康状態で譲渡されるように、フードもおやつも添加物の少ない安全なものを選び適正な量を計算して与えていること、また、健康状態によってはおやつを制限している動物もいることを伝えた。「申し訳ないのですが、食物を与えるのはご遠慮いただけますか?」というと「人の善意を踏みにじって!」と捨て台詞と共に持ってきた犬用のおやつとゴミを捨てて帰ってしまったのだ。