お盆や夏休みにかけて、実家に帰省したという方も多く、この時期に、親やきょうだい、親戚などと会う機会があったに違いない。楽しい時間を過ごされてきた方も多いと思うが、一方で年々、老いていく親を実感された方もいるのではないか。
そんな時に頭をよぎるのは、親が病気になったときのこと。今回は、田舎の親ががんになってしまった50代会社員の事例から、離れて住む親が病気になった際、子どもが知っておきたい対処法についてご紹介しよう。
東京で働く山本雅和さん(仮名・50代)の両親は、新潟に二人きりで住んでいる。
年相応に衰えてはきたものの、10年ほど前に小さな商店を営んでいたこともあり、隣近所との交流は盛んで、それなりに元気に楽しく暮らしているようだ。
ところが、数ヶ月前、父親(80代)が胃がんの宣告を受けた。高齢とはいえ、気力も体力もあったので、がん摘出の手術を行った後、抗がん剤治療を受けている。
患者本人である父親の方は、それなりに覚悟はしていて、落ち着いているのだが、雅和さん気になるのは、母親(70代)のこと。
患者以上にショックを受けている様子で、「もしお父さんに何かあったら、私はどうすれば良いの」とオロオロしている。
それに、入院中はもちろん、抗がん剤治療のための通院の際の付き添いや、身の回りの世話などで疲労困憊している様子だ。