文在寅が「米韓同盟破棄・朝鮮半島統一」へ突き進んでたどる末路

言動の背景には一貫した思想がある
時任 兼作 プロフィール

それから10年余――。2018年3月、文大統領は国家安全保障室長の鄭義溶氏を特別使節団団長として北朝鮮に派遣し、米国との対話路線ならびに韓国との緊張緩和推進のメッセージを金委員長に伝えた。これを受け、金委員長は南北首脳会談の開催を受諾。また、米国との対話の意向も示した。

鄭氏は早速、米国に飛んだ。ホワイトハウスを訪問し、トランプ大統領と会談のうえ金委員長の意向を伝達したのである。トランプ大統領は前向きな姿勢を示した。

 

南北統一に全てをかける

かくして翌4月末、第3回目の南北首脳会談がまず開かれた。その席上、「核のない朝鮮半島の実現」や「朝鮮戦争の終結と平和協定の締結を目指しての平和構築」などを謳う共同宣言が出され、双方が署名した。38度線に設定された非武装地帯(DMZ)を実質的な「平和地帯」とすることも盛り込まれた。

また、同年6月には史上初の米朝首脳会談がシンガポールで行われた。こうした文大統領の歩みを踏まえて、外事関係者は断じる。

「文の南北統一への思い入れは筋金入りだ。それを公然と宣言したのが、光復節の式典であり、今後はその実現に渾身の力を入れることだろう」

しかし、現実は厳しい。南北統一はそうやすやすと進みそうにない。

韓国内では、式典での演説後すぐに国民の間で批判が湧き上がった。韓国最大の部数を誇る朝鮮日報も社説で、北朝鮮を「技術も資源も市場もない世界最悪の貧困国家」と位置付け、「低賃金労働力の利用以外に何ができるのか。そんな国と経済協力して世界最高の技術大国(日本)に一気に追いつくとはどんな魔法か」と疑問を投げかけた。荒唐無稽だというのである。

東西ドイツの事例を引いて、統一後、旧東ドイツの支援のために旧西ドイツが財政負担にあえぎ、長年低成長を余儀なくされた点を踏まえ、統一は経済的にむしろマイナスだとする声も上がった。

しかも、相手国たる当の北朝鮮は明確に統一を拒否した。式典翌日の8月16日、北朝鮮の対韓国の窓口機関「祖国平和統一委員会」は「われわれは南朝鮮当局者らとこれ以上話すこともなく、再び対座するつもりもない」との声明を出したのである。

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こうしたなか浮上したのが、文大統領の海外逃亡説だった。外務省関係者が語る。

「文は昨年の南北首脳会談後には、『最悪の事態』も想定もしていたと見られる。南北統一に本格的に乗り出して失敗した場合、逮捕どころか死刑にさえなりかねない。そこで、海外に逃亡先を確保した。末路を見越しての退路だ」

文大統領の長女と家族は2018年7月にタイに移住したが、これがその備えだというのだ。

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