乱射、放火…世界の「凶悪事件」の犯人は、なぜ「男性」ばかりなのか

そこには生物学的な理由がある

それに対して女は「持てること」と「モテること」が分離しているので、「バリキャリでもモテるし、ニートでもモテる(この逆も同じ)」。このため、「性愛を断念して仕事で頑張る(仕事を断念して愛するひとと暮らす)」という選択が可能になる。誤解のないようにいっておくと、これは恋愛市場において「男が不利で女が有利」ということではない。男女の性愛の非対称性によって、男の場合はオールオアナッシングで、競争の結果がよりあからさまに突きつけられるということだ。

 

ネットスラングで、「カネ」と「性愛」の両方を手にした男の勝ち組は「上級国民(モテ)」、どちらも持たない負け組は「下級国民(非モテ)」と呼ばれる。日本社会の主流(マジョリティ)は男だが、それが「上級国民/下級国民」に分断されたことで社会が動揺しているのだ。同様に、アメリカ(トランプ現象)やイギリス(ブレグジット)では、社会の主流である白人男性が「上級(エリート)」と「下級(ブルーワーカー)」に分断されている。

〔PHOTO〕iStock

なぜ世界じゅうで同じようなことが起きているのだろうか。その理由は単純だ。「上級国民/下級国民」の分断の現われ方は国や文化・社会・歴史によって異なるだろうが、その背後には確固とした生物学的法則(男女の性愛の非対称性)がある。

「自由恋愛ゲーム」が男にとってオールオアナッシングなら、競争から「降りて」しまう男が増えるのも当然だ。中高年のひきこもりが社会問題になっているが、その割合は男が75%(4人のうち3人)だ。自殺率も男が女の2倍で、孤独死の4人に3人は男だとされる(ただしうつ病の罹患率は女が男の2倍になる)。

日本の社会では、1990年代後半から2000年代前半にかけての「就職氷河期」で正社員になれなかったひとたちが巨大な貧困予備軍を形成している。「中年」「男」「無職」「非モテ」という条件を満たすこの層から、「将来への不安や絶望」「家族や社会への憎悪」「被害妄想」などなんらかのきっかけで極端な行動をとる者が現われても不思議はない。――そんな社会に私たちは生きているのだろう。

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