中国は永遠に民主化できない…天安門事件より深刻な事態に陥る可能性

中国こそ香港・台湾化すべきだ
大原 浩 プロフィール

1997年、香港返還の狙いは中国の香港化

また、現在の香港問題も歴史的経緯を理解しないと読み解けない。

香港返還が行われたのは1997年7月1日であり、鄧小平が死去したのは同年の2月19日である。彼自身は返還をその目で確かめることができなかったが、香港返還は傑出した政治家である鄧小平の行った最後の偉業といえるであろう。

そもそも、香港返還は鄧小平でなければ成し得なかったと考えられる。毛沢東亡き後、「改革開放」を軌道に乗せた鄧小平は、ロシアのペレストロイカを行ったミハイル・ゴルバチョフのような「自由化」「民主化」の旗手として西側から大いに期待されていた。

英国が最終的に香港返還を決断したのも、改革・解放が順調に進めば中国も豊かになり、自由化・民主化が進むと考えたからである。

 

現在のように、毛沢東暗黒時代への回帰を目指す習近平政権では、香港返還などあり得なかったと断言していい。

事実、2014年の香港反政府デモ(雨傘運動)の際には、英国が調査のために議員団を派遣しようとしたが、共産主義中国はこれを拒絶した。

そもそも雨傘運動は、2017年の香港特別行政区行政長官選挙から1人1票の「普通選挙」が導入される予定であったにもかかわらず、共産主義中国が「行政長官への立候補には指名委員会の過半数の支持が必要であり、候補は2~3人に限定すると決定」したことに原因がある。

かつて悪の帝国と呼ばれた、共産主義国ロシア(旧ソ連)でさえ、現在では曲りなりにも普通選挙が導入されている。そのような基本的なことさえ実行できない1国2制度とは何であるのか?「話が違う」ということなのだ。

すでに述べた様に、英国が香港返還に応じたのは「共産主義中国が香港化」すると考えたからであり、「香港が共産主義中国に統一される」と考えたのであれば、返還に応じなかった。

法律的問題には色々な議論があるだろうが、このような歴史的経緯から考えれば「香港人民の自由が奪われるのなら、約束違反だから香港返還は取り消す」と言いきれるだけの大義名分が英国にはあり、米国をはじめとする西側先進諸国もそれを支持するであろう。