中国は永遠に民主化できない…天安門事件より深刻な事態に陥る可能性

中国こそ香港・台湾化すべきだ
大原 浩 プロフィール

戦勝国である中国とは台湾のことである

香港問題を理解するためには、共産主義中国が核心的利益と名付け固執する「台湾問題」の本質について考えなければならない。

共産主義中国がいまだに「帝国主義」であり、尖閣諸島、南シナ海、中印国境などで他国の領土を奪おうと虎視眈々と狙っているのは周知の事実である。また、過去にはベトナムを侵略。チベットやウイグルでは占領するだけではなく、人民の虐待を続けている。

共産主義と帝国主義が合体したものがファシズムであるから、共産主義中国はファシズム国家と呼んでも差し支えないかもしれない。

 

しかし、台湾問題はその帝国主義的な領土拡大とは異なった側面を持つ。

一般的に台湾と呼ばれる中華民国は、中国の歴史で言えば、亜流の共産主義中国とは違って、綿々と続く歴史の本流なのである。

例えば、日本軍と戦い第2次世界大戦の戦勝国となったのは中華民国(現・台湾)である。

読者も歴史教科書で写真を見かけたことがあると思うが、ポツダム宣言(別名:「米英支三国共同宣言」)を発表したのは、その名の通り米国(ルーズベルト)、英国(チャーチル)、支那(蒋介石)の3国であるが、この支那(中国)とは、もちろん中華民国(台湾)なのである。

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また、1945年の国連設立時の常任理事国は、第2次世界大戦に勝利した連合国である米国、英国、フランス、ソビエト連邦、中華民国(台湾)である。

共産主義中国の建国は、1949年であるから、その当時は存在さえしていなかったのだ。

その後、1971年に共産主義中国が本流の中華民国(台湾)を押しのける形で、常任理事国の地位を獲得した。一種の背乗りである。

なお、日中国交正常化は1972年の日中共同宣言からである。米中国交正常化は1971年のキッシンジャーの中国訪問から始まり、1972年のニクソン大統領の訪中を経て、1979年のカーター大統領の時にようやく実現した。

田中角栄氏のロッキード事件が、ニクソン訪中で先行していたはずの米国を追い越す形で共産主義中国との国交正常化を行った同氏への報復だと噂されるのも、米国(特に共和党)が共産主義中国を心よく思わず、常に第2次世界大戦を共に戦った本流の中国(中華民国=台湾)を守ることに徹してきた象徴だといえよう。

第2次世界大戦を「ファシズムから自由を守る闘い」と位置づける先進自由主義諸国においては、第2次世界大戦の戦勝国という意味は極めて大きい。

共産主義中国が台湾を核心的利益と呼ぶなら、米国にとっても台湾は「核心的利益」なのである。

中華民国(台湾)と中華人民共和国(共産主義中国)とのいわゆる「2つの中国」問題は、かつてメディアを賑わしたが、歴史的に正当な中国が中華民国(台湾)であることは明らかである。

中華民国(台湾)が独立国として、「私の国の戦勝国としての権利、そして正当な中国の歴史は共産主義中国によって奪われた」と世界に訴えたら、共産主義中国は抗弁できない。

日本の歴史教育では、共産主義中国が戦勝国でないことを包み隠しているが、共産主義中国が主張する「歴史問題」のほとんどは中華民国(台湾)の統治下で起こったことであり、中華民国(台湾)が存在する限り、彼らに主張する正当な権利があるから、共産主義中国としては早く中華民国(台湾)を吸収して消滅させたいのも当然といえる。

最近、台湾関連の法規を急速に整備したり、F-16を売却したりして、トランプ政権が台湾に肩入れするのも、共産主義中国が常任理事国の地位を奪う前(米中国交正常化以前)の世界秩序を回復させようという試みであるとも考えられる。