photo by iStock

もう死にたい…若者たちを救う「SNSカウンセリング」最前線

「消えたい」とつぶやくあなたへ

助けを求める声があふれる

「死にたい」「消えてしまいたい」という声は、SNSにあふれています。多くの若者は、こうした苦悩を身近な人に相談するのではなく、SNSでつぶやきます。ネガティブな気持ちを表現するために、「裏垢(裏アカウント)」を作っている人も少なくありません。

では、どうして身近な人に相談をしないのでしょうか? そこには、「相手にどう思われるだろう?」「迷惑がられるんじゃないか」「『重い』と思われたらどうしよう」といった不安があります。特に「死にたい」という気持ちは、切実で深刻な思いであるだけに、身近な人にはかえって話しにくいところがあります。

そうしたなか、2017年、神奈川県座間市で衝撃的な殺害事件が起き、9人の若者(女性8人、男性1人)が犠牲となりました。被害者となった女性たちは、SNSで「死にたい」というメッセージを発し、犯人はそうした女性にSNSで近づいたのです。この事件は、若者にとって深刻な苦悩を表現する場が、SNSになっていることを社会に広く知らしめました。このような凶悪事件は、あくまで氷山の一角であり、SNSを通じて被害にあった人の数は、かなりの数にのぼると思われます。

SNSには、助けを求める声があふれています。そうした声が、悪意を持った人達に届くのではなく、適切な援助者のもとに届くように、SNSを用いた相談窓口を切り開いていく必要があるのです。

 

子どもの相談窓口のミスマッチ問題

中高生のコミュニケーション・ツールは、「電話」からLINEなどの「SNS」に移行しています。平成29年の調査では、10代の若者が平日に「SNS」を利用する時間は、「電話」の60倍に達しています(下記図1参照)。しかし、いじめ等の相談窓口は「電話」が主流のままでした。若者のコミュニケーション・ツールの利用状況と、子どもの相談窓口の現状との間にミスマッチが生じていました。

図1:平日のコミュニケーション系メディア 10代の平均利用時間