日本が海外のアートに与えた影響

「白樺派」は明治期に生まれた文芸思潮のひとつ。志賀直哉と武者小路実篤に始まり、柳宗悦、里美惇といった多くの文学者のみならず、梅原龍三郎や岸田劉生などの画家も名を連ねている。ロダンやセザンヌといった西欧のアートを日本に根付かせる大きな役割を担った。原田さんは、日本が影響されたことのみならず、日本が世界のアートに影響も与えてきていると言う。「CONTACT」展の中には、手塚治虫さんや竹宮恵子さんという漫画家の作品も展示されるが、それも「つながっているアート」のひとつだ。

――例えば、私は(コム デ ギャルソンの)川久保玲さんも好きなんです。このように浮世絵に限らず、色々なカテゴリーで日本のアーティストたちは発信力があるし、日本のいちアーティストが発信していることに世界中の眼差しが引き寄せられるということもたくさんあります。

手塚さんと竹宮さんのおふたりは、もともと私が敬愛するクリエイター。子どもの頃から影響を受けてきました。手塚治虫さんは言うまでもなく漫画を目指す全てのかたや、多くの少年少女が影響を受けましたよね。そんな手塚さん自身はディズニーなど欧米や映画から多くの影響を受けているんです。「イエローブック」の表紙を描いたビアズリーから学んだものもあったそうです。

そしてそのビアズリーは、日本の浮世絵から影響を受けている。「漫画」というカテゴリーも、影響がまわりまわっているんですね。

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また、先日は大英博物館で日本の漫画展が開催されて大評判でした。つまり、大英博物館で取り上げられるくらい日本の漫画というのが独特の位置づけだということです。ですから日本のカルチャーを語るときに漫画は外せないなと思いました。

日本人として、これだけ日本に豊かなカルチャーがあることも誇りに思ってもらいたいです。陶芸しかり、漫画しかり、文学しかり。今回展示する川端康成や宮沢賢治は世界的に有名ですし、文学とか漫画とか映画とかいろんなジャンルに興味を持ってほしいと思います。

そもそも、欧米でも特にヨーロッパ、イギリスやフランスでは、モダンカルチャーの目覚めは画家と文学者が一緒に盛り立ててきました。そこをカテゴライズして分断してしまうのは「つながり」を見えなくしてしまって非常にもったいない。だからこそ今回の展示ではアートを横断させたいと非常に思いました。

物故作家のみならず、現代アーティストの展示もある。これはコンテンポラリーアーティスト加藤泉氏により展覧会のためにつくられた作品「無題」© 2019 Izumi Kato