リクルートが、日本人の人生すべてを握る「恐怖の企業」と化す可能性

「超巨大データ企業」への変貌
鏑木 邁 プロフィール

「危ない人材」が事前にわかる?

今回、リクルートキャリアが提供したデータには個人の氏名がひも付いていたため問題が表面化したが、そうでないデータに関しては現行法の規制の対象外だ。

個人がネットを利用すると、サイトの閲覧履歴の「クッキー情報」やネット上の住所にあたるIPアドレスなどのデジタルデータも企業に収集されるが、その分析結果などを企業が二次使用することは合法とされている。

例えばネット通販大手で、サイト利用者の購買履歴とこれまで似たような商品を購入した利用者の履歴を付き合わせて、「おすすめ商品」を紹介する機能などがこの典型例だ。データ分析を主な業務とする企業の場合、対象者が生活圏でどのようなものを買う傾向にあるかなど生活サイクルに応じた情報を分析し、企業のマーケティングの材料として販売もしている。

 

アルバイト支援企業として産声を上げたリクルートは、結婚情報誌「ゼクシィ」や転職サイト「リクナビエージェント」、アルバイト紹介の「タウンワーク」、住宅情報の「スーモ」、さらには受験支援サイト「スタディサプリ」など、ライフイベントに徹底的にフォーカスしたサービスを提供し事業拡大してきた。日本人の「個人に紐付いたデータ」を、他のどの企業よりも多く蓄積しているとみられる。全国紙経済部記者はこう分析する。

「リクルートの圧倒的な強みは、ビッグデータ全盛のこの時代に、企業が最も欲しがる『個人の人生全体の包括的データ』を持っているということです。どこで生まれて、どのくらいの偏差値の高校に入って、得意科目は何で、有名大学を出たのか、就活はスムーズに終わったか、年収はどのくらいか、結婚はいつ誰とどのくらいのグレードの結婚式場で上げたのか、といった情報を手に入れているのです。

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リクルートが本気になれば、企業側に、単に優秀な人材を紹介するにとどまらず、『過去に御社で出世した人のパターンを分析して、業績を上げやすい人材』を紹介したり、『不祥事を起こした人のパターンからなるべく離れた人』などの情報を提供したり、さらには『結婚式に高額な費用をかけている人は離婚しやすい』というような分析までできる。ゆくゆくは、就活中の段階から『好ましい人材とそうでない人材』のスクリーニングをかけることもできるようになるでしょう」

実際、近年リクルート社は優秀なデータサイエンティストを採用していると言われ、「収入は他社の1・5倍」(大手証券のエンジニア)とされる。

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