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科学より「感動物語」を重視する人々〜ケガは高校球児の宿命なのか

球数制限の是非、炎天下の試合の賛否…

夏の甲子園が終わった

今年も夏の高校野球が終わった。

履正社(大阪)と星稜(石川)という名門校同士の対決。どちらもまだこれまで優勝経験がないということが驚きだったが、履正社が星稜に対し、春の大会の雪辱を晴らした形での優勝だった。

負けた星稜のエース、奥川恭伸投手は、ドラフト1位指名の呼び声も高い名選手であるが、力投空しく敗れたあと、「野球の神様が自分に与えてくれた課題なのかなと。向こうのほうが日本一になるべきチームなのだと思います」と述べたその潔い姿にも賞賛が集まった。

しかし、この日の奥川投手は、どう見ても精彩を欠いていた。また、それは履正社の清水大成投手も同じだった。実際、清水投手は連投の疲れと肘の異変を口にしていたという。

今回の大会では、はじめて決勝戦の前日に1日の休みが設けられ、休養が取れたとはいえ、やはり炎天下の連投で蓄積した疲労は相当なものがあるだろう。

奥川投手は、自身の不調と負けの理由を、決してコンディションのせいにはしなかったが、本人がそれを口にできないからこそ、周囲が冷静かつ客観的に考慮して、選手を守る必要があるのではないだろうか。

 

球数制限の是非

投手の連投については、開幕前の岩手県大会でも大きな話題になった。

大船渡高校の佐々木朗希投手は、最速163キロを誇る投手として注目を集めていたが、県大会決勝で登板できなかった。それは、同校の国保陽平監督が、連日の佐々木投手の起用による故障を防ぐための判断だった。

結果、大船渡高校は破れ、甲子園出場を逃してしまったが、それもあって国保監督の判断には賛否両論が大きく渦巻いた。

とはいえ、この日登板した柴田貴広投手も名投手であり、試合に負けたのは、もちろん佐々木投手が登板しなかったからかどうかはわからない。しかし、エースを温存しての負け試合となったことで、多くの注目を集めることとなった。