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戦後最悪の日韓対立で「ある在日韓国人」が心を痛めた「本当のワケ」

「韓国はとんでもないね」と言われても
朴 猿虎 プロフィール

在日コリアンのこころ

長兄が死ぬと、私の祖母がその後に続く7人のきょうだいの面倒をみることになった。幸い、祖母の家は朝鮮出身者のなかでは金銭的に恵まれていた方で、遺族年金が入らなくても、なんとか暮らすことはできた。

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しかし、周囲の多くの朝鮮人家族には、経済的に困窮状態にある者も多くおり、戦争が終結しても、貧困の問題は解決されなかった。

そもそも貧困は次世代に受け継がれることが多いが、戦争により代をまたいで貧困を継承している家族は、より深刻な状況に置かれている。戦争により経済基盤が丸ごとなくなってしまったため、本人たちの努力だけでは、どうしても貧困のループから抜け出せなくなっているのだ。

 

貧困の連鎖の原因はもちろん、あの戦争である。旧植民地出身者の多くは、子孫係累がこのような負の遺産を受け継いでいる。

だから、彼らにとって「あの戦争は過去のこと」と簡単に括れるものではない。旧植民地出身者の家族・子孫にとっては、あの戦争、あの植民地問題は、現在進行形で続いているのである。

ただそのような過去があっても、確実に言えることは、今、友好国であったはずの日韓がこれほどまでに対立していることに対して、在日コリアンはみな、心穏やかではないということだ。いろんな感情があったとしても、この対立を喜んでいる在日コリアンはいない。