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トランプ逆ギレ!米中貿易戦争に、FRB議長もついにサジを投げた

その頃、日本は…

世界経済はどこへ向かうのか

政策対応の見本となるような先例がない」――。

8月23日。こう述べて、トランプ大統領が煽り続ける米中貿易戦争に、さじを投げるかのような表現で世界経済が抱え込むリスクを訴えたのは、アメリカの中央銀行に当たるFRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長だ。

年に1回、世界の中央銀行首脳らが集まる国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのこと。パウエル発言は、この日、中国が米国に対する報復関税を打ち出し、トランプ大統領がさらに対抗措置を採ると発表したことに警鐘を鳴らす意図が透けて見えた。

「ジャクソンホール会議」に臨むFRBパウエル議長/Photo by gettyimages

ところが、トランプ大統領は、パウエル議長が中国の報復措置に対抗する形での利下げ実施を示唆しなかったことに逆切れ。ツイッターに「私が抱いている唯一の疑問は、パウエル氏と習近平・中国国家主席のどちらがより大きな敵なのかということだ」と書き込む始末だ。

この日、株式市場は終わりの見えない貿易戦争に震えあがり、ニューヨーク・ダウ(工業株30種)平均の下げ幅が一時700ドルを超える急落場面もあった。いったい、世界経済はどこへ向かうのか。その中で、世界平和を守ることはできるのだろうか。

前述のジャクソンホール会議でパウエル議長はまず、直接の所掌について「貿易政策の遂行は議会や行政の仕事であり、FRBの仕事ではない」と言い切った。とはいえ、「あらゆることが適切な金融政策の運営に影響を与える。それには貿易政策を巡る不確実性も含まれる」ことから、貿易摩擦への対応はFRBの「新たな課題」だと強調した。その意味では、FRBは貿易環境にも合わせて、必要な措置を採る考えがあることを明言したといえる。

 

ただ、あまり期待されても困るということだろう。金融政策には、その新たな課題に対応する過去の見本がないし、貿易摩擦に対する金融政策の有効性については「国際貿易への確立した規則書とはならない」と過大な期待を諫めることを忘れなかった。