「アメリカのセックスを変えた」と言われる91歳の現役セックス・セラピストのドクター・ルース。アメリカでは彼女を知らぬ大人はいないほどの超有名人である。そんな彼女の人生をたどったドキュメンタリー映画『おしえて!ドクター・ルース』が8月30日に公開される。

元スナイパーで、結婚歴3回という波乱の人生を送り、現在でも週2回大学で講義する傍らアメリカ中を講義で回るドクター・ルースが、パワフルでハッピーでい続ける秘密はどこにあるのかーー。彼女が映画で語る言葉から紐解いていきたい。

過去のことなんて気にしないで、
スポンジで消してしまいなさい

〔PHOTO〕『おしえて!ドクター・ルース』より

1928年、ドイツ・フランクフルト近くの村で生まれたユダヤ人のドクター・ルース。一人っ子の彼女は教育熱心な両親と祖母に可愛がられて育つが、11歳のときに第二次世界大戦が勃発。父親はユダヤ人強制収容所に収監されてしまい、残りの家族も収容所行きになるのは時間の問題だった。心配した父は収容所から、ルースをスイスにある養護施設に送る手配をする。

しかし、彼女を待っていたのは、自由とは程遠い生活だった。スイスの養護施設ではユダヤ人の子供たちは“二級市民”扱いで、スイス人の子供たちの身の回りの世話を朝から晩までしなければいけなかったのだ(この時の経験がルースのセクシャル・マイノリティへの共感につながっている)。

終戦を迎えたのはルースが17歳のとき。このとき、初めて彼女は両親と祖母が亡くなってしまったことを聞かされる……。