人間扱いされない現実

留学当初、英語が出来なかった私は、人生で初めて「言葉が話せない」と言うだけで人間扱いされない現実に直面し、底知れない屈辱感と敗北感を味わった。しかし、世界は広いことに気付いてからは、努力さえすれば私でも上を目指せる、そう思えた留学生活だった。

ちなみに大阪の熱血教師は、私が留学していた2年間の間、途切れることなく大阪から応援の手紙を送ってくれた。熱血教師だけは私が2学年落とすことを賛成してくれて「川村が納得してるのなら賛成するよ。高校生のキミには2年が果てしなく長く感じるかも知れないけど長い人生で見たら、1年も2年も誤差の範囲内だ」と私の「ワープ計画」の背中を押してくれた。私はこのワープ計画で英語習得に加え、帰国子女枠での一流大学受験を目指す。人生を賭けた学歴ロンダリング企画だった。

ワープ計画を実現させないと後がない私は、別人のように勉強するようになる。私は焦っていた。行って初めて分かったことだが、アメリカの教育システムは大阪でロクに勉強しなかった私にもチャンスを与えてくれるものだった。

例えばテストで良い点が取れなかったとしても、担任に相談して「その代わりに何かプロジェクトをやらせてください」と交渉し、そのプロジェクトの対価として特別点をもらう。または時間内にテストが終わらせられそうにない時に先生と交渉し「あと30分いただけませんか」と頼み込む。日本で言うところの「ズル」ってやつだ。

締切りに間に合わなくても「交渉」する、点数が足りなかったら「別のプロジェクトをやるのでどうでしょうか」と相談する。それは「ズル」だろうか? Photo by iStock