東大は世界42位でいいのか…日本が生き残るための「留学」のススメ

可愛い子には旅をさせよ
是永 淳 プロフィール

平均から飛び出せない日本人

しかし残念なことに、そのような改善/改革を遂行できる人材が、今の日本では圧倒的に不足している。これが第二の問題点である。

日本人はおしなべて真面目で勤勉な印象があり、皆ある程度の水準は超えている。しかし、平均から飛び出る人があまりいないのだ。日本には「出る杭は打たれる」ということわざがある。実際にそういう雰囲気・文化が根づいてしまっているようにも思える。そのせいで、ポテンシャルが高いのに、平均層に甘んじている人も多いのではないだろうか。ずば抜けて優秀だと、規格外の人材として成功するケースもあるかもしれないが、そういうことは稀(まれ)だろう。

その結果、ほんの一握りの「超優秀な人たち」と大多数の「平均化された人たち」の間にほとんど人がいないという、非常に層が薄い状態になってしまっているのが日本の現状だ。この場合、重要なポストの数の方が優秀な人の数よりも多いので、適材適所の人事ができない。ポストの重要性に実力が伴っていないと、健全な次世代育成は難しい。

 

このような現状から抜け出すには、どうすればよいだろうか。残念ながら、「大学の質」を高める即効性のある方法はない。応急処置で変化が期待できるほど、大学は些末な組織ではないからである。十年先、二十年先を見据えた、長期的な努力が必要だ。

人材の層の薄さは、海外から優秀な人材を招聘することで解消できる問題ではない。トップと平均層の間を埋めるには、相当数の人間が必要だからだ。それだけの人材を招聘できる財源の見込みもないし、また、既存の人材を同じ数だけリストラしなくてはならない。