東大は世界42位でいいのか…日本が生き残るための「留学」のススメ

可愛い子には旅をさせよ
是永 淳 プロフィール

このアメリカの講義形式は別にとりわけ斬新な方法ではない。日本の高校での授業のやり方も似たようなものだ。つまり、アメリカでは、高校から大学に進学しても、授業の時間配分にあまり変化がないのに対して、日本ではなぜかガラっと変わるのである。

日本の大学のように週1回にまとめて教えてしまう方が、教える側は楽だが、そのぶん学生にしわ寄せが行く。誰のために、何のために、大学が存在しているのかを考えると、どちらの方がよいかは明らかだろう。 

 

研究への期待が違う

また、大学院での研究に関しても、アメリカと日本では天と地ほどの違いがあり、この違いは大学ランキングに如実に反映されている。

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前述のTHE世界大学ランキングの評価指標の内訳は教育30%、論文引用32.5%、研究30%、国際性5%、産学連携2.5% となっている。論文引用は研究成果と直接つながっていることを考えると、研究活動についての評価が大勢を決めているのだ。これは他のランキングでも同様である。

研究と一口に言っても、いろいろな分野での研究が考えられるが、理工系や医学系の研究のような汎用性の高いものが、やはりここでは重要である。現代の経済を支えているのは「未来の技術革新への期待」であることを考えると、当然のことだろう。

アメリカは世界中から優秀な人材を集めることによって、科学研究の質を維持している。このアメリカのやり方を日本がそっくり真似することは、まず不可能である。しかし、アメリカが成功している本質的な理由を見極めることができれば、表面的な物真似ではなくて日本独自のアレンジを加えたやり方ができるだろう。例えば、大学院生の教育のような非常に基本的なことでも、日本はアメリカから学ぶことが数多くある。