東大は世界42位でいいのか…日本が生き残るための「留学」のススメ

可愛い子には旅をさせよ
是永 淳 プロフィール

米国の講義は1コマ50分

この現状に危機感を抱いている日本人はおおぜいいるだろう。実際、日本の多くの大学が国際性を高める努力に励むなど、様々な改善に取り組んでいるようだ。だが、アメリカの大学に長く身を置く立場から見ると、大した効果が期待できない的外れな努力をしている印象を受けることも少なくない。

なぜ効果的な改善策を打ち出せないのか。今の日本には、決定的に欠けているものが二つあるからだ。

米スタンフォード大学 photo by iStock

まず第一に、アメリカやイギリスのトップ校での教育ならびに研究の実態を把握している日本人の数が少なすぎる。孫子の「彼を知り己を知れば百戦危うからず」ではないが、競争相手のことを理解せずに、意味のある打開策をたてることはできない。

 

例えば、日本の大学とアメリカの大学では、講義形式からしてまったく違う。

日本では、一回90分から100分の講義を週一回行うというスタイルが主流だが、アメリカでは、一回50分の講義を月水金の週3回、もしくは一回75分の講義を火木の週2回行うのが普通である。学生の集中力は長い時間続かないし、同じ内容を教えるにしても週3回や2回に分けた方が、緊張感を保ちながら、テンポよく進められるのだ。このため、はじめは基礎的なことから始まっても、学期が終わる頃にはかなり高度なところまで到達できるようになっている。頻繁に宿題も出すので、学生の理解度を確認しながら講義を進めていくことができる。