幸いなことに、厳しい収益環境が続くなかにあっても、独自のスタイルを築き、顧客、部下から絶大な信頼を集めてきた支店長、支社長はいる。
コンプライアンス、業績評価が厳しくなるばかりで、支店長の責任の重みは格段に増している。中堅クラスの銀行員の間で、「下手したら、支店長にされてしまうぞ」という笑い話が半ば真剣に交わされるほど、支店長はつらい立場にもなっている。
しかし、デキる支店長たちは、そんなことはどこ吹く風とばかりに、自己流の支店長道を貫き続けている。それは、顧客を守り、部下たちを守り、育て上げることにほかならない。
このままでは銀行はなくなってしまうのではないか──そんな〝漠とした不安〟に「惑わされるな」と檄を飛ばす「レジェンド支店長」が決して忘れない、若き銀行員だったころのつらかった日々。
本部と対立してまでもノルマを撤廃し続け、しかも、着実に実績を積み上げてきた「奇跡の支店長」の胆力。
「部下を守るには本部と戦うしかない」と息巻く「尖った支店長」の知られざる極意……。辣腕支店長たちには心に秘めたストーリーが必ずある。
『ザ・ネクストバンカー』はこれまでの銀行の常識に疑問を呈するとともに、組織運営と人材育成のヒントにまで踏み込んだ2部構成になっている。
どうすれば着任3ヵ月で支店の雰囲気をガラリと変えることができるのか?
組織を底上げするための方法とは?
支店長は本部のいいなりでいいのか?
若手銀行員とはいかにしてわかりあえるようになるのか?
同書には、みずほ銀行、三井住友銀行、伊予銀行、埼玉りそな銀行、三菱UFJ銀行、静岡銀行、みちのく銀行といった各行が誇る〝伝説の支店長〟12人のインタビュー(写真入り・実名)が収録されている。
銀行員はいうまでもなく、営業現場を預かる人、あるいは、これからその立場に向かう人にとって、貴重な体験談ばかり。やはり、支店長など現場のトップはカッコイイ人たちでなければならないのだ。