リクナビ「内定辞退予測」が踏みにじった、採用活動の本質

いい人財は集まる会社はここが違う
酒井 利昌 プロフィール

企業間の競争激化は肌で感じるところですが、それを表すデータがあります。以下のリクルートキャリア就職みらい研究所『就職白書2019』のデータです。

出典:リクルートキャリア就職みらい研究所調べ
https://data.recruitcareer.co.jp/wp-content/uploads/2019/02/c07a2df34dc6f701c465a6dbc3df4850.pdf

こちらの11ページにあるデータでは、採用予定者を100とした場合の「内定出し人数」と「内定数」の割合を示しています。

 

【全体】では、採用予定者100に対して、「内定出し人数=167.2人」「内定辞退人数=76.6人」「内定数=90.6人」と内定辞退率は、45.81%という結果となっています。

つまり、内定出しした半数近くから辞退されているという結果が出ています。

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ここで注目すべきは、従業員規模が5,000人を超える大企業であっても、この傾向は同じであるということです。

「内定出し人数=172.8人」「内定辞退人数=81.0人」「内定数=91.8人」と内定辞退率は、46.87%という結果となっています。

従業員規模が大きくなればなるほど、内定出し人数が増えていることも特徴です。
(300人未満:151.4人 300~999人:159.9人 1000~4999人:168.3人 5000人:172.8人)

それでも、採用予定数100に対して、従業員規模関係なく、下回っているとこともわかります。

つまり、内定出し人数を大きくしても、採用予定数に満たない実態があるということです。

これが、採用市場における企業間の競争激化の実態です。

採用支援のサービスは増え続けている

困っている人がいれば、そこにマーケットが生まれ、経済活動は活発化する。

これが資本主義社会です。

上述した採用競争の厳しさを反映して、採用マーケットは拡大し続けています。

矢野経済研究所によると、新卒採用支援市場は2014年度の840億円から拡大し続け、
2019年度は前年度比7.0%増の1,354億円に達する見込みとなっています(出典:https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2122)。

中小企業や地方企業では、就職情報サイトを介しても、学生の応募が集まらないため、新卒紹介サービスなど就職情報サイトに依存しない、新卒採用支援サービスが続々と登場しています。

大企業であっても、学生の早期囲い込みを目的としたインターンシップから採用活動を始めなければなりませんし、就職情報サイトからの膨大な学生エントリーのなかから、採用ターゲットとなる学生を選別するのに苦慮しています。

上述のとおり内定辞退の回避に向けてフォローもしなければなりませんので、全体的に採用活動に関連する業務は増加し、その期間も長期化しています。