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リクナビ「内定辞退予測」が踏みにじった、採用活動の本質

いい人財は集まる会社はここが違う
運営元のリクルートキャリアはもちろん、サービスを購入した各社にも非難が集まった、リクナビの「内定辞退予測」問題。ここまで波紋が広がったのは、同サービスが採用の本質から著しく外れたものだったから。採用コンサルタントで『いい人財が集まる会社の採用の思考法』を出版したばかりの酒井利昌氏が解説する。

就活生の約9割が利用している就職情報サイト

就職情報サイトは、就活生にとっては、もはやなくてはならない「インフラ」となっています。

その就活インフラのひとつ、「リクナビ」を運営するリクルートキャリアが、就活生の「内定辞退予測」を十分な説明なしに販売していた問題が波紋を広げています。

内定辞退予測のサービス「リクナビDMPフォロー」は、学生のリクナビサイト上の閲覧履歴などを人工知能(AI)で解析して、内定辞退率を予測するサービス。

同意を取得する方法の不備などの次元の話でなく、サイト上の行動履歴が分析され、その結果が内定辞退予測として応募先企業に渡っていたという事実に対して、学生側・大学側は不信感を募らせています。

 

「リクナビDMPフォロー」は、合否判定に使わない条件で38社に販売したとされ、これまでに、トヨタ自動車、ホンダ、大和総研ホールディングス、NTTコムウェア、NTTファシリティーズ、りそなホールディングス、アフラック生命保険、三菱電機、京セラ、YKK、レオパレス21、リクルートキャリア、リクルートHDなどが購入したことが判明しています。

購入各社は、日本経済新聞の取材に対し、下記のように答えています。

・トヨタ自動車「内定辞退者を減らす目的で購入していた」
・ホンダ「購入したデータは就活イベントに参加した学生のフォローに使用した」
・大和総研ホールディングス「採用活動における将来の人工知能(AI)活用のための技術検証」
・りそなホールディングス「内々定者をフォローするためにのみ使用した」
・アフラック生命保険「志望度を上げるよう学生をフォローするため」

以上から、今回の購入目的に共通するのは、「内定辞退者を減らすため」というものであることがわかります。

企業の採用活動の実態

この問題の背景にあるのは、採用市場の競争激化です。

先日上梓した拙著『いい人財が集まる会社の採用の思考法』(フォレスト出版)でも述べていますが、「採用は勝ち負け」です。

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複数の内定をもらった学生が最終的に選べる会社は1社のみ。

企業間では、限られた人財を奪い合う戦いを繰り広げています。

私は企業の現場に入り、採用目標を絶対達成させるコンサルタントです。これまでに数多くの採用支援に携わり、その数は1,000社以上にのぼります。