# 恐竜

日本発の新種恐竜!カムイサウルス・ジャポニクスはどこが新しいのか?

「神トカゲ」の迫力を体感せよ
小林 快次 プロフィール

「見たことがない」様々な特徴

こうして町や地域が盛り上がって行く中で、私はある思いを抱いていた。

むかわ竜には、どのハドロサウルス科の仲間にも見られない特徴がある。その固有の特徴は体全体に見られており、まずわかりやすいもので、前脚が異常に細い

マニアックなものとしては、胴の背骨の骨(胴椎骨(どうついこつ))の上に伸びる骨(神経棘(しんけいきょく))が本来なら後ろに傾いているが、むかわ竜の神経棘は前傾しているのだ。

 

今だから言えるが、クリーニングした骨を見たときには本当に驚いた。

見たことがない──。

このとき私は、むかわ竜が新しい恐竜であることを確信した。

また、ハドロサウルスの仲間の中には、骨でできているトサカで頭を飾っているものがいる。

むかわ竜には、そのトサカの骨が残されていないものの、その痕跡が見られる。

むかわ竜も頭に「トサカ」という飾りをつけていたかもしれないことまでわかってきた。

そして2019年4月。頭骨の発表から4年半の月日が流れた。

発掘した膨大な量のジャケットのクリーニング作業に4年間もかかった。その後、全身復元骨格を組み上げるための作業を重ねてきたのだ。

この日も報道陣に来てもらい、成果を全国に伝えてもらった。

「先生、感想は?」

「とにかくでかいですね」

全長8メートル。そして頭から尻尾まで、8割以上の骨が揃った。まさにその言葉がふさわしい「全身骨格」だ。

しかもこれほどの大型恐竜の全身骨格は、日本初である。

もし、恐竜に神様がいるのであれば、むかわ竜はその恐竜の神様「竜神」にふさわしいだろう。

この感動は、ぜひ多くの人々に自分の目で見てもらい、その迫力とともに体験してもらいたいものだ。