この季節がやってきた! 受賞者が明かす「イグノーベル賞の舞台裏」

その価値はプレイスレス!
栗原 一貴 プロフィール

Q:賞金、授賞式への交通費、特典などは?

A:プライスレスとしか言いようがありません。

イグノーベル賞は賞金がゼロです。最近は10兆ジンバブエドル(超インフレにより資産価値ゼロです!)を賞金として贈ることもあるようです。本家ノーベル賞が1億円ほどあると聞きますと、その1/10でももらえたら生活が潤ったのですが……。さらにアメリカで開催される授賞式参加のための交通費も自腹です。まさにプライスレス!

一方で、副賞というものがあります。毎年、手作りのオブジェ的なものを贈っているように思います。私の年はUniverse(宇宙)がテーマだったので、「宇宙のどこかにある砂」が封入された砂時計というものをいただきました。かさばる上にガラス製だったので、持ち帰りに苦労しました……。

ところでこの副賞の砂時計、受賞後いろいろな場所で展示を繰り返している間に、紛失してしまいました!どなたか所在をご存知の方がいらっしゃいましたら、栗原までご一報ください!

私達の副賞が行方不明です…。もし心当たりの方がいらっしゃったらご連絡ください

唯一価値を感じるのは、賞状ですかね。普通のコピー用紙にプリントされたものですが、臨席する『本家』ノーベル賞受賞者のみなさんのサインが入っています。

Q:受賞して嬉しいのですか? 生活は変わりますか?

A:YES! 生活はあまり変わりませんけど…。

私はイグノーベル賞の受賞をとても光栄に思っています。マッドサイエンティストのお墨付きを世間的にいただいたような心境です。受賞者仲間に聞いても、ほぼ例外なく光栄だと答えます。

大学・研究所などの所属組織も、研究が社会的良俗に反しない限りは(そこがけっこう微妙なラインなのですが…)、基本的には喜ばしいこと、と捉えてくれるのではないでしょうか。少なくとも大学に対してはオープンキャンパス等の広報活動の一つの柱として、集客に貢献できます。

生活は、賞金ゼロなのでほとんど変わりません。毎年授賞式の季節になると、「過去の受賞者」というくくりで、すこしだけ注目があつまり、若干の取材を受ける程度です。

一般の方々に向けた講演の機会は増えました。たとえば小学校などに呼ばれて、「科学のすばらしさ」を講演してください、などと頼まれます。私なんかがそのような高尚な社会的使命を負うとは考えてもみませんでしたが、「真面目に、無難に、というだけでは我々の未来は先細ります。科学の本質は好奇心であり、それは常識からの逸脱と隣り合わせです。自由で無限な好奇心を育み、未来を切り拓いてください。」などと若者を鼓舞しています。

今年のイグノーベル賞授賞式に参加します!

さて、2019年9月12日から始まる今年のイグノーベル賞授賞式および関連イベントに、私も参加します!

現在、私はアメリカのシアトルで1年間の研究修行に来ているので、この地の利を活かします。2012年の受賞後、初めての再訪となります。過去のイグノーベル賞受賞者は授賞式で挨拶できるとともに、Informal Lectureでも少し時間をいただいて、最近の研究などを講演する予定です。

現在、私は共同研究者の塚田浩二さんとともに、イグノーベル賞研究的な活動の支援を募るクラウドファンディングを開催しており、そのリターン(お礼)の中には、今年のイグノーベル賞受賞式関連イベントの様子を栗原目線から映像・写真等で記録し、皆様に限定配信するというものも提案させていただきました。あまりスポットライトのあたらないイベントの裏側を紹介したいと思っていますので、ご支援をぜひよろしくおねがいします!

クラウドファンディングサイト:
https://outreach.bluebacks.jp/project/home/1