自衛隊「空母いずも」の誕生で、日米vs.中国の対立は危険水域へ

「米中対立」に巻き込まれることになる
半田 滋 プロフィール

自衛隊と米軍「相互運用」の影響

今年7月、中国は南沙諸島から6発の対艦ミサイルを発射した。この時期に南シナ海に入っていた米空母「ロナルド・レーガン」への牽制とみられる。空母化される「いずも」の南シナ海派遣は、中国軍の標的となる覚悟が求められるだろう。

 

これまでも米海兵隊の垂直着陸輸送機「オスプレイ」が海上自衛隊の別の空母型護衛艦「ひゅうが」に着艦したことはあるが、F35Bは垂直離着陸する際の噴射熱が高く、どの護衛艦にも着艦できなかった。このため、「いずも」の改修は甲板の強化を中心に行われる。

「いずも」は米海兵隊のF35Bを搭載する米海軍佐世保基地の強襲揚陸艦「ワスプ」とほぼ同サイズのため、米軍機を搭載するのは難しくない。将来的には、逆に航空自衛隊のF35Bも米軍の強襲揚陸艦に搭載されるという相互運用性が模索されるだろう。

米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」(Photo by gettyimages)

安全保障関連法は、これまで日本政府が武力行使の一体化にあたるとして禁止してきた「発進準備中の(他国の)航空機への燃料補給」を認めており、空母化される「いずも」と米海兵隊のF35Bを組み合わせることを可能にした。

安全保障関連法がなければ、平時における海上自衛隊の海外展開は実現せず、「いずも」と米軍機との組み合わせも想定できなかった。自衛隊の活動の幅が広がると同時に、米中の軍事衝突に巻き込まれる危険性も格段に増したことになる。

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