自衛隊「空母いずも」の誕生で、日米vs.中国の対立は危険水域へ

「米中対立」に巻き込まれることになる
半田 滋 プロフィール

岩屋毅防衛相は「防衛計画の大綱」を閣議決定した昨年12月の記者会見で「海上自衛隊や航空自衛隊から具体的なニーズや要請があったのではない」と述べ、空母保有は自衛隊からの要請ではないことを明言。

そして「はたして、どのような連携をすることが最も適切か、これからじっくりと、海上自衛隊と航空自衛隊の間で検討していかなければいけない」と注文をつけた。

要するに、空母保有は「政治主導」で決めたが、「使い方は自衛隊で決めてほしい」と言っているのである。

政治家が「これで戦え」と武器を選び、「戦い方は自分たちで決めろ」と丸投げするのだからある意味、無責任の極みである。

 

「いずも」は米軍のプラットホームに

これを受けて、防衛省は「当初の防衛省案」に立ち返り、「いずも」を米軍のプラットホームとして活用する方針を固めた。今年3月、来日した米海兵隊のネラー総司令官に伝達したところ、ネラー氏は協力を快諾した。

米海兵隊トップの交代に伴い、8月に初来日したバーガー総司令官は21日、都内で記者会見し、「(日米の)どちらもF35を飛ばし、着艦可能な艦艇を持っていれば、運用は柔軟になる」と防衛省の構想を歓迎した。

さらに「自衛隊のパイロットが米海軍の艦艇に着艦し、米海兵隊のパイロットが海上自衛隊の艦艇に着艦する。これが最終目標だ」と述べ、日米が相互運用性を持つことを「最終目標」と明言した。

空母化される「いずも」を日米が共同運用する道筋は容易に想像できる。

米軍のF35B戦闘機(Photo by gettyimages)

自衛隊の積極活用を意味する「積極的平和主義」を掲げる安倍首相の方針に従い、海上自衛隊が最近3年間続けている護衛艦のインド洋、南シナ海派遣に空母化された「いずも」をはめ込めばよいだけの話だからだ。

安倍首相は海外における武力行使に道を開く安全保障関連法を成立させ、同法は16年3月に施行された。それから5カ月後の同年8月、安倍首相はケニアで開かれたアフリカ開発会議(TICAD)で「(自由で開かれた)インド太平洋戦略(のちに戦略を構想に変更)」を打ち出した。

「インド太平洋構想」とは、表向きインド洋と太平洋をつなぐ地域の経済構想を指すものの、真の狙いは、この地域で影響力を増している中国を多国間で牽制することにある。

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