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情報をあえてシャットアウトする効用「気分一致効果」の罠に注意
アメリカの心理学者であるゴードン・H・バウアー氏が導き出した「気分一致効果」という心理的現象があります。

人は気分に一致する情報に目を向けがちである、ということです。
たとえば、間違いなく成功するだろうと思っているプロジェクトに楽しく取り組んでいる時は、成功を後押しするようなうれしい情報が入ってくる。
一方で、このプロジェクトが失敗しないか不安だ、来期の予算は達成できるだろうかなどと不安な気持ちになっている時は、ネガティブな情報ばかりが目につきやすくなる。
これが「気分一致効果」です。
この現象は、その人その人の、考え方の癖にも当てはめることができます。
つまり、「成功するだろう」という考え方の癖を持っていると、成功しそうな情報ばかりが目につきますし、「うまくいかないだろう」という考え方の癖を持っていると、失敗しそうな情報ばかりが目につくのです。
ポジティブか、ネガティブか、考え方の癖によって、目につく情報、つまり自分に影響を与える情報が変わってくるのです。
「この企画は通らないのではないだろうか」
「ライバルB社が巻き返してくるのではないだろうか」
「何かトラブルが起こるのではないだろうか」
「求人広告を出したけど、まったく人が集まらないかもしれない」
このようにネガティブな心理的状態で情報を探せば探すほど、集まってくる情報はネガティブなものが多くなります。その結果不安になり、失敗するような気がしてならなくなるのです。