N国党が次は「文春砲」「マツコ・デラックス」を狙った恐るべき理由

本当に「日本版トランプ」と化す可能性
真鍋 厚 プロフィール

「部族主義」のようにも見える

興味深いのは、党の方針でもある「直接民主主義」に試験的に着手したことだ。メンタリストDaiGo氏のアドバイスに従って、YouTubeの「アンケート機能」を積極的に使い始めたのである。

その結果を見ると、「安倍内閣を支持する/支持しない」がそれぞれ43%、35%に分かれたほか、「NHK放送のスクランブル化」に賛成が97%、「既得権益者をぶっ壊す!」に賛成が79%などとなっている(8月20日現在)。

これは単に「意見を聞く」というレベルの話ではない。立花氏は、このアンケートに基づいて、政治家としての行動を決めることを試みているのだ。

 

実際、マツコ・デラックスの発言に対する抗議のため、8月19日に東京MXテレビに乗り込むことについての賛否も視聴者に尋ねており、「反対意見のほうが多ければ行かない」と明言していた(そして、賛成が72%だったため実行した)。

オールドメディアという既得権益層に徹底した不信感を抱く「鏡の国に住む人々」が増えれば増えるほど、N国党が「日本最強のポピュリズム」政党に成長する可能性が現実味を帯びるのは必然といえる。

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立花氏やN国党の言動には、確かに「既存の」政治家としては眉を顰めるようなものも多い。しかし、レッテル貼りをして叩くことは簡単でも、実際問題として立花氏のチャンネル登録者数は現在42万人に達し、参議院選時の17万人から25万人も増加した。共同通信の最新の調べでは、N国党の支持率は7月から0・3ポイント増の1・3%に上昇している。

N国党の勢力拡大は、「失われた30年」という「中流から転落した人々」の怨嗟が育まれた時代を経て、ネットにおける「部族主義のリバイバル」と「映像コンテンツのフラット化」が生み出した新潮流のように思えてならない。

色物と決めつけてまともに取り合わないのではなく、背景にどのような社会課題が潜んでいるのか、今一度冷静に検証していく必要があるだろう。