FC今治・橋本英郎の挑戦〜Jリーグが地域社会を救う日

サッカー×地域貢献×IT
二宮 寿朗

「サッカーを通じて町を盛り上げたい」

なぜサッカーとテクノロジーを掛け合わせたイベントを開催しようと思ったのか。橋本はこう語っている。

サッカーを通じて町を盛り上げたい、サッカーの普及につながっていけばという思いがまずあって、それと同時に子供たちに普段、あまり触れる機会のないテクノロジーを体験してもらえるような機会を提供できればいいと考えました。島には橋がなくて、生活するのに不便なことも少なくないと思うんです。でも離島に住む子供たちだからこそのアイデアや発想があるはずで、(ITに)興味を持つきっかけをつくれればいいかなと

きっかけづくり。

ここには地域貢献の思いも詰まっている。タオル、造船の町として知られる愛媛県今治市のみならず、県全体で人口減少の問題を抱えている。上島町を含む島しょ部はその傾向が著しく、若者の定住対策は待ったなしの状況となっている。

 

橋本がイメージするのはテレワーク。場所はどこでも関係なく仕事ができるようになれば、橋が架かっていない離島であっても将来的に若い人たちは仕事ができる。テレワークと相性がいいのは、ITである。サッカーを入り口にすることで子供たちもITに入りやすく、興味を持ちやすくなるんじゃないかという発想だ。

橋本は大阪生まれ、大阪育ちだが、妻・美希さんの出身地が上島町だという。今治でプレーする縁と妻の故郷を盛り上げたい、その気持ちからこのイベントの実現に動いた。

今、実際に在宅で仕事をされている方も多いわけじゃないですか。島でも仕事ができるような時代になったらいいと思うんです。地元の方々にも協力していただいて、子供たちに喜んでもらうことができました

橋本はJ3入りを目指すFC今治の中心選手だ。大阪でも有数の進学校である天王寺高からガンバ大阪に進みつつ、大阪市立大学を卒業した勉強家でもある。今年で40歳となり、引退後のセカンドキャリアについても新たな形を模索している。

サッカーを窓口にして、地域への貢献や子供たちへの貢献ってできるんじゃないかなっていう思いはあります。企業のほうも価値を高められるというメリットがあると聞いています。僕が上島町でやったことを(企画として)固められれば、ほかの選手にとってゆかりのある土地でこういったことを開催できるんじゃないかって思うんです