韓国の「暴走」を横目に、トランプ大統領が仕掛ける「次のシナリオ」

正気の沙汰ではない
中原 圭介 プロフィール

米欧貿易摩擦へ

アメリカ大統領選における勝利の方程式を振り返ってみると、トランプ大統領は遅くても2020年11月の大統領選の三ヵ月前には、経済が好調であることをアピールしたいところでしょう。

ですから、2020年4-6月期のGDPが拡大基調にあり、株価が高値圏を維持していることが求められる条件になります。おそらくは、トランプ政権が考える最善のシナリオは、2020年の春先までにFRBにあと0.50%~0.75%利下げさせたうえで(1.00%の利下げは吹っかけているのだと思います)、その後に米中貿易戦争も一気に沈静化させるというものではないでしょうか。

 

それまでの行程のなかでは、私たちはトランプリスクという「大きな変数」を常に意識しながら、大統領や政権幹部の発言に一喜一憂しないようにリスク管理を徹底しなければなりません。

中国への制裁関税の突然の表明や為替操作国への指定も、トランプ大統領が中国との貿易交渉が思い通りに進まず、苛立ちで感情がコントロールできなかったことが原因ではないかと考えているからです。私たちは少なくともあと半年は、トランプリスクと向き合っていかなければならないのです。

〔photo〕gettyimages

その間に米中貿易交渉のほかで厄介なのは、アメリカがEUとも本格的に事を構える姿勢を鮮明にしているということです。

米通商代表部は最近になって、EUへの発動を検討している追加関税の対象規模を拡大することを示唆しています。4月に作成していた210億ドル分の対象品目リストに、さらに40億ドル分の積み増しを検討するというのです。

追加リストには欧州が競争力を持つチーズやパスタなどが含まれており、最大で100%の関税を上乗せするとしています。米中貿易摩擦と併行して、米欧貿易摩擦が始まろうとしていているわけです。

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