韓国の「暴走」を横目に、トランプ大統領が仕掛ける「次のシナリオ」

正気の沙汰ではない
中原 圭介 プロフィール

米中貿易戦争はさらにエスカレートへ…?

数年前の中国は外貨準備を4兆ドル近く持っていましたが、人民元安を食い止めるため(人民元高ドル安への)為替介入を繰り返したせいで、今では3兆1000億ドルまで減ってしまっています。

アメリカが主張するように(人民元安ドル高への)介入をしているのであれば、外貨準備は増えているはずです。

〔photo〕gettyimages

今回の人民元安も中国経済の悪化から市場の売り圧力によって進んだのであって、近年の中国は決して人民元安への為替操作はしてこなかったという事実があります。それを実にタイミングよく裏付けるように、IMFが9日に中国経済に関する年次報告書を公表し、人民元相場について「中国人民銀行による(ドル高への)為替介入はほとんどみられない」と結論づけています。

それでは、なぜ今回は7元の防衛ラインが破られたのかというと、あくまで私の推測ではありますが、態度を簡単に豹変させるトランプ大統領に対して、中国は人民元相場で配慮する姿勢が馬鹿らしくなったということが考えられます。

 

人民元相場は7元を突破したことで、今後の目安となる節目がなくなってしまいました。

そういった状況下で、中国が制裁関税・第4弾を相殺するには7.2元~7.3元に下落させる必要があるという試算が出ているなかで、米中貿易摩擦は後戻りができないほどエスカレートする段階に足を踏み込んでしまいました。中国が23日に新たに750億ドル(約8兆円)分のアメリカ製品に5%~10%の追加関税をかけると公表したのです。

これに対して、アメリカも即座に反応し、米通商代表部は制裁関税・第1弾~第3弾の関税を25%から30%へ、第4弾の税率を当初予定の10%から15%へ引き上げると公表しています。

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