お酢だって多様性の時代
世界のお酢たち

酢の研究のために20カ国を回るなど、世界の酢を知り尽くしている酢ムリエ・内堀光康さんが、おすすめの酢と使い方を紹介。様々な原料はもちろん、伝統の製法から最新の進化系まで、グローバルな酢は、毎日の食生活に今すぐ取り入れたい!

主な酢の種類とポジション
醸造酢は大きく分けると穀物酢と果実酢の2つに分類することができる。穀物酢は米酢、玄米酢、きび酢、熟成期間が長い黒酢など。果実酢はワインビネガー、バルサミコ酢、リンゴ酢など。熟成期間にもよるが、基本として黒酢やきび酢はしっかりと重みのある香り。ヨーロッパのワインビネガーは香りが軽くすっきりとした味。近年人気のフルーツ系の飲む酢は甘みのある味。特徴を理解すれば、料理や飲み方に合う賢い選び方ができる。

おすすめの酢がこちら!

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よろん島 きび酢本舗 
星砂よろん島きび醋
200ml ¥1550/よろん島 きび酢本舗​

島に息づくサトウキビを使った
昔ながらの自然醸造の代表選手

マイナスイオンに覆われた与論島のサトウキビを使用し、サトウキビのしぼり汁を壺でゆっくりと発酵。島秘伝の酢は良質のミネラルを多く含む、長寿のもと。天然サンゴカルシウムが溶かし込まれていて、一般的な酢に比べてカルシウム、マグネシウムが多く含まれている。「鉄分やカリウムも多く、女性の味方です」
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マイユ 
MAILLE 白ワインビネガー
250ml ¥380/エスビー食品 お客様センター(マイユ)

ドライでスキッとした
フランス産はドレッシングに

ブルゴーニュのディジョンで誕生した、マスタード&ビネガーの老舗ブランドのマイユ。主にフランス産白ワインで造ったビネガーは、フランス人の定番。「シェフはこれをワインで割ってソースにします。フランスの酢にしては酸っぱすぎないので日本人向き。りんご酢と合わせればおいしいドレッシングになります」

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田村造酢
ミヨノハナの柿酢
300ml ¥1400/田村造酢

江戸時代からの
伝統を守る柿100%の酢

水を加えず渋柿のみで手づくりした和歌山の酢。「木になった柿の実のしずくを集めたのが始まりで極めて貴重なものだったとか。このメーカーは1808年創業の老舗。従業員6人ほどで伝統を守り続けています。甘さと酸っぱさがずっと一緒に残るので、料理の味にふくらみが出ます。柿ポタージュのように濃いので、飲むときは薄めて」

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ペルシュロン
ペルシュロン シェリー酒ビネガー
250ml ¥700/アルカン(ペルシュロン)

酸っぱくて香りも豊かな
個性派はアクセント使いに

スペイン・ヘレス産のシェリー酒を使ったビネガー。「酢の酸度は、日本の米酢の約4%に対し、ヨーロッパのワインビネガーは6%以上と高め。酸味も香りも強めですが、シェリー酒らしく味わいはまろやか。存在感のあるビネガーなので、ドレッシングのアクセントにすると味が際立ちます」。魚介のサラダやクセのある羊肉などの料理にもぴったり。

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内堀醸造
臨醐山黒酢
360ml ¥500/内堀醸造

醤油と合わせて
酢醤油として常備すれば重宝!

焼き魚や炒め物にかけると旨味が増すなど、酸味が柔らかく、オールマイティに使える黒酢。「同量の醤油と仕込んで酢醤油にしておくと便利。サンマなどのくさみを消してくれるので、魚料理に」。臨醐山とは、岐阜県八百津の代表的な山の名前で、この地で生まれた内堀醸造の伝承の技でつくられる逸品。アミノ酸も豊富。

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オークスハート
飲むシークヮーサー&八朔の酢
250ml ¥1400/ビネガー専門店オークスハート 日本橋店(オークスハート)

夏バテにも効くほろ苦&
甘い味わいは、アイスのソースにも

シークヮーサーと八朔の果実酢を合わせたほろ苦さと、すっきりと爽やかな甘みの酢。「デザートビネガーとして炭酸水や牛乳で割って飲んだりアイスクリームにそのままかけたりと、多彩に楽しめます。春、夏、初秋に飲むことをおすすめしています」。気軽に飲めて夏バテ対策にもなるイチ押し。

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オークスハート 
ピュアカカオビネガー
150ml ¥800/ビネガー専門店 オークスハート 日本橋店(オークスハート)

サラダはもちろん、
カレーにかけても相性抜群!

カカオ豆を包む果肉をしぼったカカオ果汁を発酵させた、ユニークな進化系の酢。「クルミやナッツ入りのサラダのドレッシングにするとおいしいですが、実はカレーにもぴったり。らっきょうなどの薬味を添えるように、酸味とカレーは合うんです。爽やかな味になるので試してみては」

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オークスハート 
コニャックビネガー・XO
150ml ¥1000/ビネガー専門店 オークスハート 日本橋店(オークスハート)

華やかな香りと
芳醇な味を堪能したい逸品

フランス・コニャック地方のグランドシャンパーニュのブドウに限定して、オリジナルのフランスXO規格ブランデーを造り、日本に輸入して発酵させた希少品。「香りのいいワインビネガーとして、ドレッシングや料理に幅広く利用できます。フローラルで柔らかな味わいが楽しめますよ」

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サーソン
サーソン モルトビネガー
250ml ¥380/エイチ・アンド・アイ(サーソン)

英国一のベストセラーは、
白身魚とベストマッチ

「イギリス名物のフィッシュ&チップスを食べるときは、必ずこれをふりかけます。ですから白身魚との相性は間違いなし! パブでよくギネスビールのおつまみにしていますが、モルトビネガーは麦芽が原料なので相性がいいわけです」。1794年に誕生した英国の定番モルトビネガーは、まろやかな酸味で魚料理に◯。

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北固山
鎮江香酢
550ml ¥324/華通商(北固山)

加熱しても香りをキープ。
中国の王道の香酢

「もち米などが原料の固体発酵の香酢。熱を加えてもものともせず、香りも旨味も損なわれないので、こってり料理向き。使い方のコツは、炒め物、煮込み、カレーなどにほんの1滴足すこと。日本でも本格的な中華料理店には必ず置いてあるほどメジャーな酢。一般的な酢と比べてアミノ酸が豊富なのも特徴。

   

●情報は、FRaU2019年9月号発売時点のものです。
Photograph:Kim YANSU Text:Akiko Okamura