“お酢を飲むと体が柔らかくなる”というのはただの迷信だけど、サーカスの人が疲労回復のために飲んでいたというのは本当らしい。“体にいい”と昨今ブームのお酢。何となく知っているけれど、どんな効果があって、どう摂ればいいのか、案外分かっていないもの。そこで、酢のスペシャリストである“酢ムリエ”が、酢の効能や使い方を徹底レクチャー。おすすめの世界の酢もご紹介!

分かったつもりになってない?
お酢の真実Q&A

「飲む酢」が大ヒットするなど、これまでの「調味料」を超えて、健康にいい食材として、さらなる進化を遂げているお酢。知らなければ損する、酢の正しい知識を酢ムリエが指南。

●教えてくれたのは……

内堀光康さん
酢ムリエ®No.0001 オークスハート株式会社代表取締役 岐阜県生まれ。山梨大学工学部発酵生産学科卒業後、商社勤務を経て家業である老舗醸造・内堀醸造に入社。2003年、自らが考案・開発した新ジャンルの酢「デザートビネガー®」などを扱う酢の専門店オークスハートをオープン。2006年、酢に関する活動の功績を認められ農林水産大臣賞を受賞。酢ムリエとして、国内外でお酢の楽しさや魅力を広める活動に励んでいる。


Q.そもそも、何からできているの?
A.糖質を含む原料と水からアルコール
 発酵、酢酸発酵を経てできます

“酢”とは酒から作ると書くように、アルコールが酢酸発酵したもの。「原料や製造法によって様々な種類がありますが、酢にするための酒造り、酢もろみを造ることからはじまります。米酢なら日本酒、ワインビネガーならワインを造り、その酒を酢酸菌で発酵。酢酸菌は日々変化するので、この育て方(管理)がとても重要」

Q.何の成分が体にいいの?
A.疲労回復に役立ち、
 整腸作用にも期待できます

「酢の成分である酢酸はクエン酸に変わり、人間のエネルギー代謝経路の中心として働きます。そして疲労回復に効果的と言われています。またクエン酸は、腸内環境を整える作用もあります。酢の酸味は唾液の分泌を促し、食欲を増進させるので、夏バテ防止の為にも夏こそ摂取して欲しいですね」

Q.ダイエットに効くというのは本当?
A.代謝が良くなり便秘を改善するので、
 ダイエットも期待できます

「酢は腸のぜん動運動を活発にするので便秘の改善が期待できます。毎日適量を摂取すれば代謝も上がって尚よし。お腹がキレイになることで、ダイエット効果を感じやすくなります」。飲んだからといってすぐに痩せるのではなく、代謝のいい体になるように習慣的に摂る、というのが正解。

Q.どれくらいの量をいつ摂取すればいいの?
A.1日に15〜30mlの量を朝晩の
 食事中か食後に摂るのが理想

「1日の目安は15~30ml(大さじ1~2杯)。人間は、睡眠中に修復機能が働くので、その代謝サポートとして夕食の後に摂ると効果的です」。また、朝ごはんの時に摂れば、代謝が上がり、腸活も簡単にできる。「1日の始まりのスイッチが入ります」。人気の『飲む酢』は手軽に購入できるので、食後に飲む習慣をつけるのも手。

Q.摂ることのデメリットはあるの?
A.酸なので、濃い状態での摂取はNG。
 用途によって量を調節して

酢の酢酸成分は“酸”なので、やはり人体にとっては刺激物となる。「“酸っぱい”と感じることが体にいい、より効果を得られる、というのは間違った認識です。適量を摂る分には全く問題ありませんが、薄めるなどして、濃い状態での酢を大量に摂取するのは避けたほうがいいでしょう」

Q.調味料や飲む以外の用途はある?
A.美肌効果にも期待! 
 防腐効果や掃除にも使えます

「酢は、血液の流れを良くするので、美肌効果が期待できます。冷え性の改善にも効果的。また、酢酸は細菌の増殖を抑える防腐効果があるので、お弁当に使うのも得策。さらに、酢を30倍に薄めたものはまな板の殺菌や台所のぬめりとりなどにも使えます」。まさに万能な酢は、夏場は特に救世主となってくれそう。