毎日飲んでもイマイチ効かない…そんな薬は「相性が悪い薬」の可能性

無用なリスクを抱えることにもなる
週刊現代 プロフィール

上尾中央総合病院の一色高明・特任副院長は、「患者さんの体質も、薬の効き方もそれぞれ。医者と患者が密にコミュニケーションを取りながら、その人の病気に最も適した薬を見つけ出すことが必要です」と説く。

「たとえば高脂血症の方には、クレストール(ロスバスタチン)などのスタチン系と呼ばれる薬はとても効果があるのですが、筋肉痛などの副作用もあるし、効果が出にくい患者さんもいます。

私はスタチン系の薬だけでは効果が薄いと思ったら、ゼチーア(エゼチミブ)というコレステロールの吸収を阻害する薬を使うことがあります」

ほかにもスタチン系の薬では十分な効果が見られない場合や副作用が出る場合、青魚の脂が由来の薬・エパデール(イコサペント酸エチル)や副作用の少ないコレバイン(コレスチミド)に替えたところ、数値が改善されたケースもあるという。

 

尿酸値が一気に改善

さかい医院の堺浩之院長も、薬を替えたところ良好な変化があったケースについて話す。

「高血圧に悩む80代の患者さんがいました。当初はオルメテック(オルメサルタンメドキソミル)アムロジン(アムロジピンベシル酸塩)など、5~6種類の薬を、組み合わせを替えていろいろ処方していましたが、なかなか安定しない。

そこで、インダパミドという利尿剤だけに絞って処方したところ、血圧が安定してきたのです。いまは上が140、下が60で落ち着いています。

利尿剤は脱水症状を起こしやすいため高齢者には使いづらい薬と言われていますが、一人一人効き目や副作用が違う。医者の側も、患者と相談しながら、一番合う薬を選ぶべきなのです」

一口に高血圧と言っても、糖尿病性腎症を併発している人には、オルメテックなどのポピュラーな薬ではなく、効果はやや弱いが、ニューロタン(ロサルタンカリウム)を処方する。

ともにARBの一種だが、後者には腎不全の進行を抑える効果が期待できるからだ。

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また、専門のクリニックに行って初めて「本当に服用すべき薬」がわかることもあるというから、注意が必要だ。茅ヶ崎メディカルクリニックの柘植俊直院長が説明する。

「高血圧の原因の一つに、原発性アルドステロン症というものがあります。この病気を持っている場合、ARB等では十分に血圧が下がらない。代わりに、セララ(エプレレノン)アルダクトン(スピロノラクトン)が効果的です。

薬をいくら飲んでも血圧が下がらないときには、こういう病気を疑い、専門のクリニックに向かったほうがいいでしょう」