GSOMIA破棄の衝撃…韓国・文在寅に対抗するには「攻守」が必要だ

国際法vs.歴史認識をどうすればいいか
篠田 英朗 プロフィール

北朝鮮との関係は微妙だ。文在寅大統領は朝鮮半島統一の暁には、いよいよ本格的に統一朝鮮が日本を追い抜くと息巻いた。しかし北朝鮮は反発しかしていない。北朝鮮に対する防衛体制は外せない。

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中国もまた、重要要素であることは言うまでもない。中国は、「反日」政策で韓国に同調する地政学ゲームを自重している。「貿易戦争」問題、香港民主化運動への対処など、繊細な問題を抱えている。

 

政策オプションの裁量の幅を、韓国の反日運動に同調する精神論で狭めてしまうことを避けている。中国は、日韓関係の悪化を喜んでいない。中国を巻き込むことは、危険な火遊びになる。

日韓両国が、何か画期的な方法で相手の立場を変えさせることができるかもしれない、という願望を捨てるということ、それは状況管理のカギでもある。

理解し合えないなりに「状況を管理する」ということは、理解し合えないからといって「断行する」「報復戦争を辞さない」といったことまではしない、ということである。なぜなら状況管理の放棄は、両国にとって不利益が大きすぎるからである。

このことについて、「丁寧に無視する」、「距離を置く」、「合意できないことに合意する」、などの微妙な違いのある様々なニュアンスのある表現がある。ただし「分かり合えないとしても、状況を管理すべきだ」という出発点は、まず了解しておきたい。

韓国は、GSOMIAの再開は、日本の「ホワイト国」復帰とセットだと迫ってくるだろう。アメリカにもそう訴えていくのだろう。

日本としては、安易な貿易管理での妥協は、かえって安全保障の観点から危険だ、とアメリカに訴えることになる。貿易管理体制の整備を確証するための協議を提案するくらいはせざるをえないかもしれない。

現状では、対抗措置は無益だろう。長期的には、日本は、米韓同盟の弱体化の時代においても日米同盟を堅持していくための政策を考えなければならない。

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