性と男性の体の違いは、しなやかな柔らかさとメリハリ。もっちりとしたきめ細かい肌の感触は、女性特有の魅力。細くすらりとしたラインや、ストイックに鍛え上げられた肉体美など多様な美意識がある中で、ほどよく肩の力が抜け、丸みを帯びた体が現在の等身大の美しさなのかもしれません。女性の神秘的な体は、内面も外見も柔らかさが肝。年齢を重ねるごとに変化する健康的な体を慈しみましょう。

ヨガや薬膳を通じて体を整え
​自分の居心地が良い方向へ

3年前から薬膳の面白さを知り、薬膳フードデザイナーやライターとしても活動しているヨガインストラクターの村上華子さん。薬膳とは、中医学をベースに体の不調を改善し、人間が本来持つ治癒力を高めることにも効果が。様々な体質や体調に寄り添い、風土に根ざした食材を取り入れることで体を整え、心との健やかなバランスが柔らかさへと導いています。


●お話を伺ったのは……
村上華子 HANAKO MURAKAMI

ヨガインストラクター、薬膳フードデザイナー、ライター。綿本彰氏のもとでヨガを学び、2008年にヨガ仲間と共にHAS YOGAを設立。2018年には薬膳フードデザイナーの資格を取得、ヨガと薬膳のコミュニティー「季結び庵」を主宰。フリーランスのライターとしてヨガ専門誌『Yogini』や各種メディアにて活動中。

ヨガと薬膳。
『柔』の心で体を柔軟に整える

「以前、会社員をしていたのですが、自分の体調や感情のコントロール方法が分からずに上司と揉めたり体調を崩すことがありました。30代になると、いよいよ体の悲鳴を感じてきて、気分も最低だった時に、ヨガと出会いました。ちょうど日本で第2次ヨガブームが起った時期にスタジオへ通い始めました」

その後、日本ヨーガ瞑想協会会長で日本におけるパワーヨガの第一人者の綿本彰さんに師事し、本格的にヨガを学ぶことになった村上さん。体を動かすことだけではなく、心にも作用する効果や哲学にもシンパシーを感じてヨガインストラクターの道へ。

「ヨガはアーユルヴェーダと繋がりが深く、共通する考え方も多いです。ただ、私の場合は日本ならではの風土や、四季の移り変わりに合わせた食事法やライフスタイルを実践する薬膳の考え方が、とても魅力的に感じました。その頃、私が教えていたヨガのクラスをたまたま薬膳の先生が受けに来てくださっていて、冷蔵庫の中にある食材や、基本的にはスーパーで買える物で自分の体質に合わせて簡単に普段の生活に取り入れられることを知りました」

また、薬膳とヨガの親和性にも関心があったのだとか。

「陰ヨガというスタイルは、中医学をベースにした薬膳と同じ陰陽五行説を取り入れています。薬膳の考え方は、その人の体質や体調、季節や天候に合った食材を通じて体を整えていこうとするもの。ヨガでは呼吸をして気を巡らすことをプラーナと言いますが、薬膳は『気』と『血』と『水』を巡らします。病院に行っても病名がつかないような不調を整えたり、落ち込んだ気分をスッキリさせることは薬膳の得意とするところ。不調の原因は1カ所ではなく、自然と体と心を調和させ、全体のバランスをとることはヨガも薬膳も同じです。そのために必要なのが柔軟さですね」

体の硬い人は無理やりヨガのポーズをするのではなく、抗わないこと。昨日できたポーズも、今日はできないこともある。ヨガも薬膳でも日々変化する自分に対応していくことが柔軟さに繋がると話す。

「柔らかさのひとつには、『柔』の心で何でも取り組むこと。押し付けるのではなく、ソフトに物事を運んでいくこと。女性だとアンチエイジングが気になったりしますが、抗ってもしょうがないですよね。ヨガの哲学では、過去でも未来でもなく今の瞬間にフォーカスすることが一番幸せだと感じて、その瞬間を精一杯生きることが大切とされています。『ヨガや薬膳フードデザイナーという仕事をしていると怒ったりしないでしょ?』と言われることもありますが、全然そんなことはなく、感情的になってしまうこともあります。柔軟に生きることとは、年齢を重ねるごとにその予兆を察知して立て直すこと。そのためには、自分をよく知ることですね」

『柔』とは、しなやかさや柔らかさ、温和で穏やかなことを意味し、自分以外の相手や対象と同調して一体感を育むこと。村上さんから放たれる柔らかな雰囲気は、ヨガや薬膳を通じて心身ともに健やかなバランスから滲み出る魅力なのかもしれない。