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# かんぽ

不正のかんぽ、ここへきて「信用金庫」が救世主になりそうなワケ

いっそ一緒になるのが最善策

どだい無理な目標、経営はどこにある

日本郵政グループの一角を占めるかんぽ生命の不正は目も当てられない。

たとえば保険料の二重徴収は約18万3000件にのぼる。郵便局は2万4000あるが、店舗数と比較してもその大きさに驚く。

筆者はメガバンクにおいて企画部やホールディングス経営企画部に勤務した経験を持ち、大学院などでは企業戦略を講義してきた。筆者が考える経営的な観点からして、この問題は根源的な経営の「理念」に係わるものということが出来る。

 

国営企業が民営化されると、経営が健全化し、収益性が強化されるという「思い込み」がある。しかし、ここまでの郵政の民営化では、その方向に向かわなかった。

2万4000という郵便局の営業規模を維持し、すべての店で同じサービス(ユニバーサルサービス)を運営し、かつ収益を増強するということが目標となっていた。

これは内容に矛盾を抱えていた。郵便局網の維持、ユニバーサルサービスというのは地域インフラの維持という「公共」的なものである。一方、収益増強は「私企業」的なものである。これは相容れない。

「収益増強は郵政グループでは必須」という目標は経営的に理解できる。この多数の郵便局の他、約43万人の社員がいる。

郵便事業を取り扱う日本郵便は、郵便物の減少が続きこのままでは2019年度から赤字になる(サービスレベルを低下させることによって一息付くが)。

ゆうちょ銀行は銀行業界と同様に収益性の著しい低下は否めない。

そのため、かんぽの収益力向上にグループ経営の重点が置かれたのも分かる。

さらに、かんぽで、この様な不正が常態化した背景には目標(ノルマ)の高さがあると考えられる。

実際、かんぽの実績予想は現場からの数字の積み上げではなく、上からの目標示達によるものであった。

このようなやり方では、目標があまりに現実から大きく乖離していると、現場では弱い心が出てきがちになる。その点では、人事部や、経営陣の問題ということもできる。