失敗しない「脱サラ→起業」の方法を、成功者40人に聞いた

『さらば!サラリーマン』著者が語る
溝口 敦 プロフィール

好きが成功の秘訣

―本書には「コーヒーチェーン社員がこだわりの喫茶店開店」「自転車メーカーを辞めて自転車雑貨店開業」といった方々も登場します。前職と近いようで、より突き詰めた仕事をしています。

もっと言うなら、起業して、一から十まで自分で判断して仕事をすることの魅力は大きいのでしょう。本書で紹介した時計職人や家具職人、パン屋や豆腐店の主人は、製品の細部まで気を配りますし、経営者として経理や見積もりなど数字も見ながら、さらには納品や接客まで自分がすべてにかかわることができる。

 

会社の「歯車」にされるのではなく、自ら主体的に仕事を回している充実感は何よりのモチベーションになるんです。だから努力もできるし、苦労にも耐えられる。

起業家は経営者であり職人は自営業で、休みはほとんどない。しかし昨今の「働き方改革」の流れとは反するようでも、仕事に没頭する彼らは幸せそうです。

―今、脱サラや起業を考えている人へのアドバイスはありますか?

起業するなら、家賃がかからない、人を雇わない、在庫を持たない、のが失敗しない方法と言われますが、それは確かでしょう。

それと、やはり「好き」だと長続きするのだなとは感じます。今回書籍化するにあたって、事実関係の確認のために、取材したすべての方にあらためて連絡をとった。すると、40人中40人が、同じ仕事を続けていたんです。

好きなことを見つけること、そして好きなことに夢中であることに拗ねた目を向けずに素直になることが大事だと思います。(取材・文/伊藤達也)

『週刊現代』2019年8月24・31日号より