失敗しない「脱サラ→起業」の方法を、成功者40人に聞いた

『さらば!サラリーマン』著者が語る
溝口 敦 プロフィール

―連載は100回を超え、「旅行代理店を55歳で退職して葬儀会社設立」「元銀行員が障がい者を救うチョコ工房設立」など、様々な職種や経歴、地域、年代の方に取材されています。しかも、みな生き生きと働いている。どうやって取材相手を見つけているのですか?

 

基本的には、人づてに紹介してもらったり、ネットで検索したり……というごく当たり前の方法です。特に2011年の東日本大震災の後、自分の生きる環境を見つめ直したり、故郷に戻って起業して地元に貢献したい、と考える人が増えた。人を見つけるのはずいぶん楽になりました。

取材先の選定には、いくつか決め事があります。まず、いわゆる横文字商売は取材しない。これは個人的な好みかもしれないけれど、有象無象のコンサルタントやマーケッターに話を聞いてもつまらない。私が以前PR会社に勤めていたので、いわゆるカネがカネを生む仕事の話に興味を惹かれなかった。すぐに廃業する人も多いですから。

―たしかに、「ペットショップの中間管理職から鷹匠」というように、まさに手に職、職人的な働き方の人が本書には多く登場します。

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職人に限らず、自分の腕で勝負する人のほうが話は面白いですよ。

本書だと、阪神・淡路大震災をきっかけに自販機の販売会社を辞めてログハウスのコテージ経営を始めた方や、TOTOを早期退職して対馬に移り住み、趣味の釣りを生かして漁師として働く方などは、日々の仕事で日焼けして筋骨隆々としていながら、穏やかな話しぶりが勤め人時代も思わせる。そういう気風に満ちた人を取材するのは楽しいですね。

もちろん様々なケースがあるけれども、「儲かるかどうか」という打算よりも、自分の「好き」は何かを考えて仕事にすることが、脱サラ成功の秘訣ではないかと思います。

―反対に、うまくいっていないケースの特徴はありますか?

前職を生かした仕事というのはむしろ難しい。例えば大きな会社から独立して、小さな会社を起こす「暖簾分け」は、人脈を引き継いだり、取引先を譲り受けたり、効率的に見えるけれども、それに伴うトラブルも多い。そのような転職を否定はしませんが、脱サラは30代くらいまでに、一から始めるつもりでしたほうがいい。

むしろ経験を重ねた40~60代のサラリーマンは、過去の仕事の蓄積は活かしながらも、まったく違う環境で、本当に自分のやりたいことを見つけて仕事にしたほうがいいと思います。