Photo by iStock

実録「あおり運転の恐怖」もし、男が運転席の窓を叩いてきたら…

人ごとではありません

サングラスの男が、何か叫びながら車外から腕を突っ込み、運転席の男性を何度も何度も殴りつける――。

お盆の列島を震撼させた、宮崎文夫容疑者(43歳)による常磐自動車道「あおり運転暴行事件」。宮崎容疑者と、同乗し携帯電話で暴行の様子を撮影していた喜本奈津子容疑者は、8月18日に逮捕された。

被害者の車に搭載されていたドライブレコーダーの映像を見て、恐怖とともに「人ごとではない」と感じた読者もきっと多いことだろう。編集部は今回、都内でこの夏「あおり運転」被害に遭遇した50代の男性に話を聞くことができた(以下「」は男性の証言)。

 

「お前、いつも走ってるだろ!」

この男性があおり運転の被害に遭ったのは、今年7月某日のこと。場所は東京都心のあるトンネルだった。

車好きの男性は、道が空いている早朝に、よく自慢の愛車で都内をドライブするという。この日も朝早く自宅を出て、いつものコースで運転を楽しんでいた。

男性が異変に気付いたのは、後方から猛スピードで近づいてくる白いワゴン車が、バックミラーに映ったためだ。

見たところ、どこにでもある営業車のようなその車は、男性の車の後方にピッタリとくっついてくる。しばらく走っても一向に離れようとしないため、男性もついカッとなって、急ブレーキを踏んで威嚇した。するとその車は男性の車を一気に追い抜いて、前方に割り込んできた。

「その後、赤信号で停止した時、車から男が降りてきました。男は窓を小突いて怒鳴り始めた。私は、これは落ち着いて対処しなければと思い、その様子を窓を開けずにスマホで撮影し、すぐに110番通報しました」

Photo by iStock

実は男性には、この男に見覚えがあった。同一人物が乗っている車と、数ヵ月前にも路上で遭遇し、トラブルになったのだ。

「赤信号で止まっていた時、左車線から強引に私の前に入ってきて、信号が青になった途端に急発進して逃げたんです。その時は私も頭にきて、男の車をつい追いかけてしまった。

その後、警察に通報したんですが、私にも非があることはわかっていましたし、具体的に被害があったわけではないので、『注意してください』と警察に要望するだけで終わりました。

しかし、今回は相手が降車してきて、窓を小突かれた。しかも、前回のトラブルのことを相手も覚えていたようで『お前、いつもこの時間帯に走っているだろう。知ってるぞ!』と怒鳴ってきたんです。

もしかすると、車のナンバーから私の個人情報を調べているかもしれないと怖くなり、今度こそ警察に届け出て事案化してもらおうと思いました」

あおり運転の怖いところは、「相手が何者かわからない」という点にある。もし反社会的勢力などの関係者であった場合、非合法なルートを使って個人情報を割り出そうとしてくる可能性も否定できない。