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アルファベットが書けない高校生も…日本「教育困難校」の危険な実態

知られざる「底辺校」の現実

危機に瀕している

教育改革について語る場合、既存のカリキュラムを大多数の生徒たちが消化できていることが前提になる。しかし、その前提を疑ってかからなくてはならない。

ルポ 教育困難校』の著者の朝比奈なを氏は、公立高校の社会科教諭として約20年勤務した経験を持つ高校教育の現場に通暁した専門家だ。

朝比奈氏は、教育困難校、すなわち「高校教育の本来の目的である多彩な教育活動に困難が伴っている学校」への取り組みを強化する必要があると強く訴える。具体的にはどのような学校がこの分類に所属するのだろうか。

 

<「教育困難校」を偏差値で定義づける必要は本来ないと考えるが、イメージをわかりやすくするために敢えて私見を述べることにする。

筆者はこれまでの体験から、公立高校に限って言えば、偏差値40台前半以下の普通科、総合学科、商業・工業等専門高校の一部、課程では全日制、定時制、通信制の高校がほぼ「教育困難校」状態にあると考える。

商業高校や工業高校等の専門高校を一部としたのは、これらの高校には受験偏差値が高くないところが多いが、そこには専門的技術や資格の取得というわかりやすい目標があり、「教育困難校」とは全く違う光景が広がる学校が少なくないからだ>

と朝比奈氏は指摘する。母集団が正規分布しているならば、偏差値40台前半まで、すなわち偏差値45以下は、30・9%だ。高校生の約3割が学習困難な状態にあるというのは、日本の教育が危機に瀕しているということだ。