首都直下地震が起きたら! 関東大震災の「火災と揺れ」の恐怖

10万5000人が死亡した現場を見よ
武村 雅之 プロフィール

関東大震災での死者

関東大震災で亡くなった方は約10万5000人いますが、東京では約6万9000人が亡くなっています。震源の直上でもないのに、なぜこれほど多くの方が亡くなったのでしょうか。

地震が起こると家が潰れます。家が潰れて亡くなった方は約1万1000人です。火災で亡くなった方は約9万2000人もいます。「関東大震災は火災だ」と言われますが、家が潰れて亡くなった方も阪神・淡路大震災の2倍ぐらいいます。

関東大震災時の日本橋付近の様子

土砂災害で亡くなった方が700~800人です。関東大震災後に耐震基準ができたので、もし今、同じ規模の地震が起こっても住宅の全壊は減るでしょう。火災もそれにつれて減ると思います。しかし、土砂災害は減らない。今横浜や横須賀には、崖の下に多くの人が住んでいますが、これは危ないと思っています。

強い揺れが来たときに、海岸にいる人は津波が来るかもしれないと思っても逃げていない。東日本大震災では地震発生から津波到達までに一番早いところでも1時間半あったので、すぐに逃げていれば95%の人は助かりました。

 

関東大震災の被害額

経済被害については、大正14(1925)年に東京市がまとめています。地震の経済被害には直接被害と間接被害があります。直接被害は、鉄道会社で言えば線路が曲がったとか橋が落ちたというものです。間接被害は、電車が止まって運賃収入がなくなることなどです。民有林や田畑の被害は入っていませんが、関東大震災の直接被害は約55億円、そのうち東京市が約36億円です。

国に対する影響という意味でGDPを基準に比べてみます。関東大震災のときはGNPですが、これが150億円ぐらいですから、損害総額の55億円は36.7%にあたります。この比率が40%に到達する災害はそれほど多くはありません。東日本大震災が3.3%です。

関東大震災のときの国家予算は約15億円ですから、国家予算比は360%です。東日本大震災が約2割ということを考えると、日本は関東大震災からよく復興できたものだと思います。