関東大震災を伝えるフランスの新聞 Photo by GettyImages

首都直下地震が起きたら! 関東大震災の「火災と揺れ」の恐怖

10万5000人が死亡した現場を見よ
9月1日は「防災の日」。1923年(大正12年)9月1日に発生した関東大震災にちなんでいる。
東日本大震災以来、日本中で頻発する地震。さらに「30年以内に70%の確率で、マグニチュード7クラスの首都直下地震が襲う」と言われている。また、都心南部直下でM7.3の地震になると、1都3県の面積の約3割が震度6弱以上になるとも……。
その結果として、最悪のシナリオでは2万3000人が亡くなり、61万棟が全壊・焼失してしまう可能性がある(ちなみに関東大震災での死者・行方不明者は、10万5385人)。
目前に迫る大災害に5人のエキスパートが警鐘を鳴らした『首都直下地震「専門家5人の警告」』(電子書籍)から武村雅之教授の「被服廠跡の惨劇」を抜粋。
首都直下地震は明日来ても不思議ではない。
 

日本を瀕死の状態に陥れた巨大地震の恐怖

関東大震災─大正12(1923)年9月1日─を起こした地震を関東地震と呼んでいます。私は1990年頃から、この地震を調べ始めましたが、関東地震はデータが非常に多く残っていることがわかりました。これまで、それらのデータを一つ一つ、自分で調べながら30年やってきました。町ごとに、どういう原因で何人亡くなったか、死者を調べて数字を積み上げ、被害と震度を出しました。

今回、「被服廠跡の惨劇」というテーマをつけたのは、被服廠跡で関東大震災を象徴するような被害が起こっているからです。ここでは約3万8000人の方が亡くなられました。

関東大震災というと関東の震災だと言う人がいますが、それは違っています。日本が国家存亡の機に瀕した自然災害は、関東大震災しかありません

大正関東地震による関東全域震度分布

関東地震の震源は、相模湾にある海溝(相模トラフ)から、フィリピン海プレートが関東平野の下に潜り込み、その関東平野とプレートの境目で起こりました。神奈川県はほぼ全域が震源の直上になっています。

当時は震度計はありませんでしたが、住家全壊率と震度には相関があるので、各市町村ごとの全壊率から評価すると震度7のところも相当ありました。関東大震災の震度分布を作ると、阪神・淡路大震災の10倍以上の広さが震度7になっていました。