香港人が本気で「自由」を渇望する一方、日本人を待ち受ける暗い未来

中立思考が日本の言論をダメにする
阿古 智子 プロフィール

中国政府は盛んに「愛国」を呼びかけているが、それは、国を裏切るような思想や行動が広がることに警戒感を示してのことでもあろう。

長年中国を見ていると、権力のあり方を疑うことも、権力に抗おうともしない日本人は、あまりにも従順すぎるように見えてくる。

鋭い視野を持って多角的な分析ができない国民が大半であるなら、貿易、情報、軍事などの分野で日々厳しい闘いが繰り広げられている国際舞台において、日本は自らの存在を示すことなどできないのではないか。

 

日本が今ある姿は、日本人が主体的に選び取ったものなのか。特定の権力を持つ人たちが中心となって作り上げた構造の中で、ただ動かされているだけでいいのか。

日本の政治・経済のシステムや慣習は、日本を良くするために、日本国民を幸せにするために機能しているのか。日本が国際的に大きな貢献をするために、どのような改革が必要なのか。

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国民一人一人が深く思考し、熟議を行える国づくりを行わなければ、日本の競争力はますます低下するだろう。

「中国は独裁国家だから」と対岸の火事のように隣国を見ている場合ではない。

日本の民主主義が成熟し、大多数の国民が積極的に議論に参加した上で「表面的に平和であればそれでいいではないか」という結論に達しているのであれば、誰も何も言えないのだが……。

でも、「知らぬが仏」でいいのか。

香港の情勢は決して楽観できるものではない。しかし、香港の人たちは、自由に思考し、主体的に選び取ることが、人間らしく生きることに繋がるということを日本人に教えてくれているような気がしてならない。