香港人が本気で「自由」を渇望する一方、日本人を待ち受ける暗い未来

中立思考が日本の言論をダメにする
阿古 智子 プロフィール

権力の横暴に対抗し情報戦に勝つ

香港警察は地下鉄の駅や人口の密集するエリアで容赦無く催涙弾を撃ち、駅の階段の上からデモ参加者を押し倒したり、無防備なデモ参加者を血まみれになるまで殴り続けたりもした。

警察が逮捕したデモ参加者のバックパックに、鋭く研がれた竹の棒を入れている場面がキャッチされ、その場面を捉えた写真がソーシャルメディアで広く流された。デモ参加者が竹の棒で暴行したという事実を捏造しようとしていたのだろうか。

そして8月11日、警察が発砲したビーンバック弾(ビーンバック(お手玉)のような形をした弾薬で散弾銃から発射される)を受けた女性救護ボランティアは、眼球を破裂させてしまい、失明したと伝えられている。

このような行き過ぎた行動を取り続ける警察に対し、憎しみを覚えている人が少なくないのは容易に想像できる。

〔PHOTO〕gettyimages

さらに、警察による不作為も問題になっている。

北西部に位置する元朗で7月21日夜、犯罪組織「三合会」とみられる白服集団がデモの参加者や通行人を無差別に襲撃した際には、警察は被害者を救護するどころか、見て見ぬ振りをして立ち去っていた。香港特別行政区トップのキャリー・ラム行政長官は、不当な行為を繰り返す警察を批判するどころか、擁護する発言を繰り返している。

 

このように、香港の多くの人たちを憤らせる材料に事欠かない状況だが、それにしても、これだけの規模のデモが長期にわたって持続的に行われているのは、前代未聞である。

それは、強大な中国の存在を前に、香港の人たちが「自由」の価値を真剣に考えるようになったからではないだろうか。