周囲を不快にさせる「バカ笑い」の正体とは…?笑い声を科学する

あなたも声で損をしているかも
山﨑 広子 プロフィール

汚水をぶちまけられる感覚

人は笑い声を聞いたとき、大脳の奥深くで快・不快、好き・嫌いといったジャッジを下している。それを前提とした上で、「不快な笑い声」とはどんなものなのか考えてみよう。

まずは音の特徴として大きすぎる、甲高い、高低差が大きい、濁っているという条件のもの。

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大きな声と高い基本周波数の声および高低差の大きい声は、脳にとっては危険を知らせる音であり、ストレス物質を出させてすぐにもこの場を立ち去りたいと思わせる。濁った声はおもに喉頭周辺の異常(声帯や咽頭の荒れ)や極度の肥満、さらには強い精神的抑圧を示している。これもまた脳にストレスを感じさせ、警戒信号が点灯する。

これらの笑い声に共通するのは、表情筋である眼輪筋や大頬骨筋があまり動いていないこと。表情筋がこわばっているために共鳴腔が広がらず声の音色が硬くなる。強い呼気を受けて喉を締め上げて発声していることで、聴いている者にも苦しさを感じさせる。

これらは笑い声でありながら、えてして攻撃的な印象を与えてしまう。心理的には、「自分が優位に立ちたい」「自分に注意を引きたい」という願望、あるいはそういう仲間がいる状況での過剰な忖度意識が働いている状態だ。

 

笑いの種類でいえば、「バカ笑い」がそうだ。これを聴かされる脳にしてみたら、汚水をいきなりぶちまけられたような感覚になるだろう。

さらにバカ笑いの多くは作り笑いなので、横隔膜も動かない。作り笑いは作り声と同様に聞き手に空疎な印象を与えるものだ。