周囲を不快にさせる「バカ笑い」の正体とは…?笑い声を科学する

あなたも声で損をしているかも
山﨑 広子 プロフィール

つまり声とは、身体の生命にかかわる器官を巧みに利用して脳が作り出すものだ。だから心身の状態が音響情報として声に出てしまうのは当たり前なのである。

声の高さからは体格や骨格がわかるし、共鳴の仕方から顔の骨格もわかる。風邪をひいたときの声の変化は誰しも経験があるだろう。肺や脳の病気でも、骨折でも、女性の場合は生理や妊娠も声に表れる。身体の変化はすべて声に反映されるのだ。

中国には「声相」の専門家がいて、声から生育歴や病気や家族構成、過去の出来事から未来までをも正確に読み取るという。また米国では声で病気を診断する研究が進められている。

 

言葉より人の記憶に残りやすい

さらに声に関して、もうひとつ重要なことがある。声は環境音と聴覚のフィードバックによって出されているということだ。

私たちの声は、生まれて(実際は聴覚が完成する6ヵ月の胎児期)から聞き続けてきた声を含む音全般に脳が適応させて決めている。それを奇跡的ともいえる神経の連携プレーで身体を制御して声にしているのだ。

つまり今あなたが出している声は、生まれ持った体格・骨格に応じて素質、つまり出せる声の範囲が決まり、その上で生育歴の中で聴いてきた音すべて、その音を受けて行ってきた行動と心理すべてを飲み込んで、さらに今現在の心身の状態を反映して作られているのである。