DS、Wiiの生みの親“岩田さん”〜任天堂元社長「異才の履歴書」

「発言録」刊行で話題に

岩田聡という人物

岩田聡という人物をご存知だろうか。ゲーム好きからはクリエイターとして知られており、そうでない人は任天堂の4代目代表取締役社長として認識しているかもしれない。岩田氏は優れた業績を残した人物であるが、惜しくも2015年に55歳で亡くなってしまった。原因は胆管腫瘍だったという。

昨今のゴルフゲームは「3回ボタンを押してショットを行う」というシステムが採用されているが、これを作り出したのは岩田氏だという。また、『MOTHER2 ギーグの逆襲』という有名作の開発が頓挫しかけた時、現場を立て直したのも彼だ。あるいは、世界規模でヒットしているゲーム業界最大のお祭りタイトル『大乱闘スマッシュブラザーズ』を桜井政博氏と一緒に作ったのも、岩田氏なのだ。

 

経営者として遺したものも多い。岩田氏が任天堂の代表取締役社長に就任してから発売されたゲーム機には、世界で1億台以上売れた「Wii」、そして1億5千台を越える記録を遺した「ニンテンドーDS」などがある。

クリエイターでもあり、経営者でもあり、ゲーマーでもあった岩田氏。そんな彼がインタビューなどで語った言葉をまとめた書籍が2019年7月に発売された。タイトルは『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』。

本書では主に、ウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」のコンテンツ、あるいは任天堂の公式インタビュー「社長が訊く」に掲載された岩田氏の発言がまとめられている。さらに、生前に親しくしていた任天堂のゲームクリエイター宮本茂氏、コピーライターとして有名な糸井重里氏のインタビューも収録されており、親しい人が岩田氏をどう見ていたのかも知ることができる。

『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』は、Amazonの「ビジネス人物伝」カテゴリで1位を獲得したことからわかるように、任天堂の代表取締役社長を務めた人物によるビジネス書として評価されている。ただ、本書の魅力はそこだけではない。読めば岩田聡という人物が、どうして周囲の人たちから好かれたのかということも理解できるのだ。